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「家庭教師のトラコ」に「全議員が見るべき」の声も 「今の日本」へ皮肉たっぷりの長ゼリフ

   橋本愛さん扮する謎の家庭教師・根津寅子(通称トラコ)が、問題を抱える3つの家庭で授業を行う「家庭教師のトラコ」(日本テレビ系)。第7話(2022年8月31日放送)では、トラコが家庭教師をしている「本当の目的」が、ついに明かされました。

   放送終了後のツイッターでは、現代の政治家や「偉い人」への批判・皮肉を盛り込んだトラコの長台詞に話題が集中し、共感する声が多く見られました。(以下ネタバレを含みます)

  • 中村蒼さん(写真:アフロ)
    中村蒼さん(写真:アフロ)
  • 中村蒼さん(写真:アフロ)

トラコの狙いとは

   物語は、児童養護施設でトラコと福多(中村蒼さん)がともに過ごした2004年、2人が偶然再会した2017年、そして現代である2022年を行き来しながら展開していきます。

   なかでも肝となるのは、財務省で働く福多と家庭教師となったトラコが再会した2017年の描写でした。12歳の時に裕福で優しい里親に引き取られて以来、順調な人生を歩んできた福多ですが、仕事では上司の顔色を伺うばかりの虚しい日々。そんな福多にとって、漫画喫茶に寝泊まりしながら勉学に励み、危険な目に遭いながらがむしゃら働くトラコの存在が、日に日に大きくなっていくのでした。

   危なっかしいトラコを心配する福多に、トラコはこう語ります。

「12の時にあんたと別れてから、この世界の不条理を嫌っていうほど味わってきた。何の罪もない子が虐待や貧困で苦しんだり、私より頭の悪いやつが裏金積んで大学行って親のコネで一流企業に就職したり。そのクセ安い給料でこき使われている真面目な人は、怪我をしても労災がおりなかったり。それなのに、いつまでたってもこの国は、予算の無駄遣い、横領、天下りの繰り返し。選挙の時は金ばら撒いて、必要のないインフラ整備をバンバンやり、挙げ句の果てにみっともない事件を起こしても辞職しない国会議員に気前よくボーナスを払う始末。企業のお偉い方だって、内部留保を増やすことや税金を少なくすることばっかり考えて、その分会員制のレストランやリゾートで湯水のように金を使い、馬鹿息子や馬鹿娘に馬鹿高い車や別荘をプレゼントしている。でも、そんなことSNSでいくら訴えたって誰も聞いてくれないし、神様に祈っても、助けるのは金持ちの方ばっかり。だったら、私が正しくお金が使われる世界を作ってやる!」

   家庭教師として子どもを合格させることで、色々な要求を聞いてもらえるようになる。いろんな職業の人とつながることができればそれが力になり、力があれば本当に必要な人のところにお金が届く方法を見つけることができる。それがトラコが家庭教師をやる「本当の目的」だったのです。

福多がトラコに尽くす理由は?

   放送終了後のTwitterでは、「現代の皮肉が全てつまってて見入ってしまう」「公務員全管理職および全議員が見るべき」などと、トラコに共感する意見が飛び交っていました。

   「学歴も資格もお金もコネもない自分にはこの方法しかない。世界中の人間に馬鹿にされても、奇跡を起こせるって信じる」というトラコの強い決心に心を動かされた福多は、財務省を退職。「トラコをもう1人にはしたくない。ずっとそばにいてお前と奇跡を起こしてやる。そのためならなんだってやる」と宣言し、トラコの夢を支える決心をします。

   地味で戦略性に欠けていたトラコのファッションやホームページは、福多がプロデュース。授業料は生徒側に決めさせたり、授業の日は家に泊まらせてもらったりといった独自のシステムも2人で考え、「家庭教師のトラコ」が完成していく過程が描かれましたが、もうひとつ明らかになったのは福多が抱える闇です。実は12歳の時、トラコと自分のどちらかが里親に引き取られると知った福多は、トラコの自転車のブレーキを切って怪我をさせる、というとんでもない行動に出たのでした。福多がトラコに尽くす理由は、これまで描かれてきた「長年の恋心」なのか、それとも「贖罪」なのか。

   次回は、里美(鈴木保奈美さん)、真希(美村里江さん)、智代(板谷由香さん)の3人が、トラコの出した「家庭教師を続ける条件」をクリアするために大奮闘。予告では福多をトラコが泣きながら責める場面もあり、物語がまた大きく動きそうです。

(Hibunny)