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「女神の教室」、北川景子と山田裕貴、二人の教師を軸に鮮やかに描くリーガル群像劇

   1月9日の午後9時からスタートした、フジテレビ系「月9」ドラマ枠で放送された「女神(テミス)の教室~リーガル青春白書」を見ました。(この原稿はネタバレを含みます)

   この作品は、ロースクールを舞台に教員と学生たちの成長を描くリーガル群像劇です。主人公の柊木雫を演じるのは、北川景子です。東京地裁の真面目な裁判官である彼女は左遷されて、青南大学法科大学院に実務家教員として派遣されたのですが、この法科大学院の出身です。彼女は、法律を勉強することが、楽しいのです。

   もう一人、藍井仁(山田裕貴)は、研究家(者)教員で、東大法学部在学中に司法試験をパスした天才で、法律の判断オタクです。

  • フジテレビの「女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~」公式ツイッターより
    フジテレビの「女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~」公式ツイッターより
  • フジテレビの「女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~」公式ツイッターより

模擬裁判の勝敗を分けたのは人間を見ようとする力

   柊木(北川景子)とは逆の価値観を持ち、学生が司法試験に成功することにしか、興味がない人物です。

   藍井(山田裕貴)は、柊木(北川景子)の授業のサポートをすることになり、授業の一環で、模擬裁判が開かれます。

   その模擬裁判は、いろいろな過程を経て、柊木(北川景子)側の弁護士サイドが勝ちます。被疑者役の女子学生が「ずっと被疑者のことを考えていた」という一言が、勝利のポイントになりました。

   藍井(山田)は「意味がない」と言って、その場を去ります。模擬裁判が終わった後、学生達と散歩しているとき、柊木(北川)は、自分は藍井と比べてエリートではないと告げます。

   彼女は左遷されたにも関わらず、事件関係者の人間を見ること、法律を学ぶ楽しさを説きながら学生達と交流します。そこがいいのです。

   それに対して、藍井(山田裕貴)はあくまでも冷静に、学生達が司法試験に合格する方法を徹底して教え込みます。

   この対照が、見事です。今後の展開が、注目される作品です。

渡辺弘(わたなべ ひろし)
渡辺 弘(わたなべ ひろし)
1952年生まれ。東京大経済学部卒業。1976年に日本テレビに入社し、制作局CP、ドラマ制作部長として番組づくりの現場で活躍。編成局長、制作局長、取締役報道局長、常務・専務を歴任した。「マジカル頭脳パワー!!」「THE夜もヒッパレ」「「スーパーJOCKEY」「24時間テレビ」などヒット番組をプロデュースした。 現在は「情報経営イノベーション専門職大学」客員教授。映像会社「2501」顧問。