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タワマン文学とマウント合戦のドロドロ 加藤浩次「新しい昼ドラだね」

   辻岡義堂アナが「今、にわかに注目され始めておる本があります」と切り出し、1冊の本を示し「外山薫さんが書いた『息が詰まるようなこの場所で』という本で、タワーマンションで暮らす人の優越感やその裏にある悩みなどを描いた作品です。ツイッターへの投稿が話題になり、再構成して書籍化されたという本です」と伝えた。17日(2023年2月)の「スッキリ」。

  • 高層階だと…(写真はイメージ)
    高層階だと…(写真はイメージ)
  • 高層階だと…(写真はイメージ)

描かれる「人間臭さ」

   書店員は「1月の単行本売り上げ1位になった」と言い、別の書店でも「どうしてこんなに売れるのかという勢いで、追加注文をかけている」と話す。同書は、発売1週間で重版が決定した。

   著者の外山薫さんは「タワマンというキラキラしている世界だが、日々生きることに必死で悩みながら生きているということを書こうと思った。友人やツイッターのフォロワーさんから取材したりして、実話をベースにした創作です」と話す。

   物語では「タワマンには3種類の人間が住んでいる。資産家、サラリーマン、そして地権者」として、最上階のペントハウス(200平方メートル)で暮らす開業医の夫と専業主婦家族と、低層階(76平方メートル)に住む夫婦とも銀行員の家族の2組の家族が中心となって動く。ツイッターでは2年ほど前から、マンション住人によるマウントの取り合いを描いた『タワマン文学』が話題になっていた。

   たとえば「買い物袋マウント」。最上階の開業医の妻が低層階に住む銀行員の妻に「あら? お買い物? あのスーパー、安くて品揃えもいいわよね」とマウントされる。その開業医の妻の手には高級スーパーの紙袋が見える。さらに「お米を買ったの? いいわねぇ。ウチは高層階だから、気圧が低くて上手く炊けないのよ」と追い打ちがかかる。このようなマウントの取り合いが次々と紹介されていく。

   経営コンサルタントの坂口孝則も『タワマン文学』にハマった1人で「アッパー層の中のさらにアッパー層も実は苦しみを抱えている。金持ちが苦しむという爽快感が面白い」と話す。お笑いコンビ「ティモンディ」の前田裕太も「ここに描かれるマウントなどの見栄の張り方が人間臭い。そういう人間臭さが文学的だなと思う」とその面白さを語る。

優木まおみの視点は?

   司会の加藤浩次は「義堂君もタワマンでしょ?」と問うと、辻岡アナは「そうですけど、こういうことは聞かないですね」と答える。すると加藤は「あぁ、高層階の人?」とツッコミ。辻岡アナは慌てて「いやいや、低層階ですよ」と答えた。

   続けて加藤は「家が広ければいいってものじゃないよね。居づらい家ってあるよね。まあ、ウチは広いですが、何か? 広い家だとバッシングされなきゃいけないの? 狭い家が悪いとも思わないけどなぁ」と言ってスタジオの笑いを誘いつつ、「ダメなのはこの人でしょ」と最上階に住む開業医の妻を指さす。さらに「住む階数で人格が変わるわけじゃない。人の問題でしょ?」と主張。

   タレントの優木まおみは「書かれているセリフだけを見ると、割と普通のことを言っているようにも感じられる。それを受け取る側が嫌味や悪意に受け取ってしまっているのかもしれない」と異論を提示。

   社会起業家の古井康介は「皮肉っぽく風刺しているのは面白い。ハイソな人たちの暗い部分を書いているので、ツイートで読むには楽しいですね」とコメント。

   ここで辻岡アナが、物語のさらなる展開を紹介。加藤が「この人がダメ」と指摘した最上階に住む妻は、さらに高価なタワマンの最上階に住むアメリカ帰りのIT長者の妻にマウントを取られる場面もあると紹介。

   加藤は「そいつも悪いヤツなんでしょ。新しい昼ドラだね」とコメント。

   読売新聞特別編集委員の橋本五郎が「ベストセラーというのは時代背景をきちんと押さえていて、人の深層心理を描いている。みんなが思い当たることがあるから話題になるわけです」と分析すると、加藤は「小説ですから」と断ったうえで「比較論では人生幸せになりませんからね」と鋭い指摘をした。

(バルバス)