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<1年前のワイドショー> 当時15歳ワリエワ選手ドーピング問題が残した課題

   <1年前のワイドショー>昨(2022)年2月、北京五輪冬季大会のフィギュアスケート女子は、カミラ・ワリエワ選手(ロシアオリンピック委員会)のドーピング問題で揺れに揺れました。7日にあった女子団体ではワリエワ選手が4回転を決めるなど素晴らしい演技を見せ、チームは金メダルを獲得しました。しかし翌8日、事態は急転します。

   (J-CAST)ワイドショー通信簿の「ワリエワのドーピング問題で激論(略)」(2022年2月14日、テレビ朝日系「モーニングショー」)によると、この日、ドーピング国際検査機関がワリエワ選手から禁止薬物「トリメタジジン」が検出された、と発表したのです。前(2021)年12月に採取された検体検査の結果でした。心臓病に使われる薬で、モスクワ市内では処方箋なしで簡単に入手することができる、とあります。

  • 氷上で…(写真はイメージ)
    氷上で…(写真はイメージ)
  • 氷上で…(写真はイメージ)

「背景」として指摘されたのは...

   ワリエワ選手は暫定的資格停止となり、フィギュア女子団体のメダル授与式も急きょ延期されました。山口真由氏(ニューヨーク州弁護士)は「15歳(当時)の少女が矢面に立たされているが、背景にはロシアフィギュア女子の低年齢化、選手生命の短さがある」とし、エテリ・トゥトベリーゼコーチの過酷な体重管理など、組織的な関与に目を向けていました。

   また玉川徹氏(テレビ朝日)は、ロシア国内の競争の激しさに触れ、「罠にはめられた可能性もあるんじゃないか」と推理していました。

   ワリエワ側の異議申し立てなどもあり、スッタモンダした挙句、14日になってスポーツ仲裁裁判所(CAS)は、翌日からの個人戦への出場を認めました。「ワリエワ『出場可』と商業主義(略)」(同15日、フジテレビ系「めざまし8」)によると、CASが認めた理由は、(1)保護対象とされる16歳未満(2)北京での検査では陽性ではなかった(3)検体提出が遅れたのは選手側の非でない、という3点だと伝えています。

   疑惑の渦中、世界が注目したワリエワ選手の演技は、乱れ、相次ぐ転倒で4位に終わりました。「ワリエワは『痛々しかった』(略)『見ていられなかった』」(同18日、「モーニングショー」)には、世界中から疑惑の目を向けられている中でまだ15歳の少女が出場すること自体が異様だった、とあります。心が傷つき、手で顔を覆い、涙が止まらない、ショックでいまにも崩れ落ちそうだ、と引き上げるときの様子を記しています。

   そんなワリエワ選手を、コーチのトゥトベリーゼ氏が激しく叱責した映像が流れました。「どうしてすべてを諦めたの。どうして戦いをやめてしまったの。説明して! トリプルアクセルのあと、諦めてしまったのはなぜ? 理解できない!」。

   五輪から1年がたちますが、女子団体の成績はなお暫定的な扱いで、メダルも授与されていません。3位となった日本の選手たちはいま、何を思っているのでしょうか。

(コムギ)