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「アイスモンスター」大ピンチ 樹氷再生へ向けた動きにパックンの感想

   東京のサクラは、きのう14日(2023年3月)に開花発表となり、気象台の1953年の統計開始以降、最速だという。温暖化の影響もあるというが、一方の東北・山形県の蔵王山では、世界に誇る「樹氷」が危機に瀕しているという。きょう15日の「めざまし8」は、樹氷の基になる・アオモリトドマツの深刻な立ち枯れ状態を伝えた。

   蔵王の樹氷は、その巨大さから「アイスモンスター」とも呼ばれる。山頂付近に群生するアオモリトドマツに、強風で吹き飛ばされてくる雪氷が凍り付き、真っ白な氷柱に成長する。その景観は圧倒的で、世界にも映像が紹介されている。

  • 山形県庁サイトより(「平成29<2017>年12月1日掲載」と記載あり)
    山形県庁サイトより(「平成29<2017>年12月1日掲載」と記載あり)
  • 山形県庁サイトより(「平成29<2017>年12月1日掲載」と記載あり)

県民会議を官民あげて設立

   しかし、番組が映し出した昨(2022)年12月の画像は、やせ細って木と枝が白くなっているだけで、モンスターには程遠い姿だ。樹氷を30年以上研究している山形大名誉教授の柳澤文孝氏は「電柱柱状態で、本当に悲しい状態」だと嘆く。

   柳澤氏によると、要因の一つは温暖化だが、さらに「7、8年前から蛾の幼虫が木の葉を食べ、何万本もが立ち枯れてしまった」と話す。食害による立ち枯れは17ヘクタールに及び、先週撮影された山の広域画像では、葉のない木々が黒々と露わになり、樹氷の山は見る影もない。

   危機的な事態を受け、山形県では13日、樹氷再生に向けた県民会議が官民あげて設立された。「県の宝であり、日本の宝、世界の宝でもあるといえる。足元からしっかり取り組んで、景観を復活していく」と吉村美栄子知事。

   計画では、標高の低いところに生える苗木を、被害のあった場所へ植え直すなどで再生を目指すという。苗木が成長するまでには50~60年かかるというから気の遠くなる話だ。

   パックン(パトリック・ハーラン、タレント)「街のケヤキ並木などでも、先人たちが残してくれた思いを大切にしたいと思っています。けど、5、60年は長いですね。(私は)100歳オーバーになりますが、見に行きますよ」

   堀池亮介アナ「長い時間をかけてもまた幻想的な世界が戻ってきてほしいと思います」

(コムギ)