読むべき本、見逃していない?

プリンセスを題材にした女性作家6人の短編集

  • 書名 リアルプリンセス
  • 監修・編集・著者名寺地 はるな、飛鳥井 千砂、島本 理生、 加藤 千恵、藤岡 陽子、大山 淳子 著
  • 出版社名株式会社ポプラ社
  • 出版年月日2019年4月 5日
  • 定価本体640円+税
  • 判型・ページ数文庫判・230ページ
  • ISBN9784591162767

 「鉢かづき姫」「踊る12人のお姫様」「ラプンツェル」「エンドウ豆の上に寝たお姫様」「乙姫」「眠り姫」――あなたはいくつ知っているだろうか。本書『リアルプリンセス』(ポプラ文庫)は、30~50代の人気女性作家6人によるアンソロジー。古今東西のプリンセスストーリーを現代に置き換え、全く新しい物語を誕生させている。

あなたのお気に入り作品は?

 寺地はるなさんの「鍋かぶり」(題材「鉢かづき姫」)は、イベント「幸せな結婚をするヒケツ」で元鍋かぶり・初瀬が講演する。初瀬の話す言葉だけで物語が完結していて、新しい。

 飛鳥井千砂さんの「歩く12人の女」(題材「踊る12人のお姫様」)は、丘の上のお屋敷に住む衣料品会社従業員の女性12人が、週末の夜に出歩いていることが発覚する。会社に営業に来た中年男性は、彼女たちの後をこっそりつけていく......。

 島本理生さんの「ラプンツェルの思い出」(題材「ラプンツェル」)は、離島に住む女子高生が、本島から月に一週間だけ来る美容師と恋に落ちる。果たして、彼はホンモノの王子様なのか? 6作品で唯一、男女の深い関係を描写している。

 加藤千恵さんの「正直な彼女」(題材「エンドウ豆の上に寝たお姫様」)は、僕が従順な紗江に物足りなさを感じ、独特な雰囲気の雪子に惹かれる。紗江と別れ、雪子と付き合いはじめた僕の決断は、正しかったのか?

 藤岡陽子さんの「あの人は海を捨てた」(題材「乙姫」)は、東京で美容師をしている透香が、12歳から5年間住んだ京都・丹後半島にある漁港の町を訪れる。14年間付き合い4年前に別れた晴也に、最後にもう1度、気持ちを確かめたいと思っていて......。

 大山淳子さんの「夢のあと」(題材「眠り姫」)は、何事も準備を怠らない姉・貴子と計画性のない妹・笑子と、姉妹の性格は正反対。妊娠34週目の貴子は、笑子と買い物をした帰り、腹部に痛みを感じてタクシーを止める。そこから現実か夢か、読者を惑わす描写が続く......。

 個人的には、著者のユーモアが光る「鍋かぶり」と、姉妹と親子の途切れない絆を描いた「夢のあと」の2作品が特に印象に残り、またすぐ読み返したくなった。

自分と相性の良い作家が見つかる

 評者は、6人のうち4人が初めて読む作家だったが、読み手と書き手の相性のようなものを感じた。本書のようなアンソロジーの形態は、自分と相性の良い作家を見つけることができるのでオススメしたい。

 題材となった物語は、作家本人が選んだという。6作品は元の物語から独立して成り立っているため、予備知識がなくても楽しめる。ただ、元の物語を知った上で読むことで、著者がなにを残してなにを変えたのかを発見でき、楽しみ方が広がる。題材となった物語はメジャーなものばかりではないため、あらすじ紹介も載せてほしいと思う。

 本書は、2017年にポプラ社より刊行された作品を加筆・修正の上、文庫化したもの。

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