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大江健三郎『水死』がブッカー国際賞にノミネート

 世界的に知られているイギリスの文学賞「ブッカー国際賞」の候補作に、日本の大江健三郎氏の『水死』(翻訳版のタイトルは「Death by Water」)(講談社刊)がノミネートされた。

 ノーベル文学賞受賞者として知られる大江氏だが、同賞へのノミネートは初めてとなる。
 
 『水死』は、大江氏自身を模した老作家である主人公「長江古義人」の父を巡る物語。終戦の夏、洪水の川に船出して水死した父について、母が残した「赤革のトランク」を手がかりにひも解いていく。

 他のノミネート作品は、オルハン・パムク(トルコ)の「A Strangeness in My Mind」、エレナ・フェランテ(イタリア)の「The Story of the Lost Child」、マリー・ンディアイ(フランス)の「Ladivine」など13作品。世界的に評価の高い作家の作品が並ぶなか、大江氏の受賞があるのか注目したい。

 「ブッカー国際賞」は1969年から続くブッカー賞の国際部門として2005年に創設。イギリスおよび以外の国の文学作品の中からもっともすぐれたものに贈られ、50000ポンドの賞金が作者と翻訳者に等分に与えられる。

 過去にはアリス・マンロー(カナダ)や、フィリップ・ロス(アメリカ)などが受賞。
 今回の受賞作は5月16日に発表される。
(新刊JP編集部)

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大江健三郎氏『水死』がブッカー国際賞にノミネート

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