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冷房28度「クール・ビズ」進めるなら「ポロシャツ」にしちゃえば?

   地球温暖化を防止する「チーム・マイナス6%」の取り組みの一環で、2005年から推進されている「COOL BIZ(クール・ビズ)」。ある調査では、認知度の割には実践が伴っていないという結果が出たが、本気で実現しようと思えばオフィスのファッションに関する意識改革が必要という見方もある。

「COOL BIZ」4人に3人が認知しているが、実施は6割に満たず

   内閣府が2009年7月9日に発表した「クール・ビズに関する特別世論調査」[PDF]によると、「クール・ビズ」の内容を「詳しく知っている」(12.2%)「大体知っている」(61.3%)と答えた人を合わせると、4人に3人が認知しているという結果となった。

   しかし、職場での「クール・ビズ」の実践については、「実践している」と答えた人が57.0%にとどまった。この水準は、政府が目標としている「6割以上の実施」には届いておらず、認知度の割には実践が進んでいない実態が表れている。

   「クール・ビズ」とは、「冷房使用時の室内の温度設定を28℃にしても快適にすごせるような工夫や知恵」のこと。しかし、一般のビジネスパーソンには、「クール・ビズ」=ノーネクタイという程度しかイメージがないというのが現状だろう。

「この暑いのにスーツで通勤するのは理解できない」

環境省の「MY COOL BIZ」が提案するコーディネート
環境省の「MY COOL BIZ」が提案するコーディネート

   環境省では「クール・ビズ」の実践を推進するために、ウェブサイト「MY COOL BIZ」を立ち上げている。「COOL BIZ スタイル」というメニューでは、服装選びのトレンドやヒントを紹介。麻やニットなどの素材を使ったファッションを提案している。

   また、日本百貨店協会の加盟店が提案する「紹介スタイル22コレクション」では、具体的なコーディネート案まで写真で表示してくれる。

   ただ皮肉なのは、前述の調査の中で「冷房が効きすぎていると感じたことのある場所」との問いに「スーパーマーケット」(45.3%)や「デパート、百貨店」(25.7%)が上位となっていること。本来はこういう場所も28℃にすべきなのだろうが、客商売では悩ましいところだ。

   また、オリコンが実施した「社内でのカジュアルファッションとして許せると思うもの」というアンケートでは、1位の「ノーネクタイ」(92.7%)に続いて、2位が「ポロシャツ」(71.7%)、3位が「スニーカー」(54.5%)となった。

   2年前から夏はポロシャツで通勤している30代男性のTさんは、次のように話す。

「このクソ暑い中、スーツを着て通勤している人の気持ちは到底理解できませんね。薄手のジャケットでも厳しいんじゃないですか。週に一度、全員がポロシャツで出勤する日を作ってみれば、この快適さをきっと実感してもらえると思いますよ」

   オフィスファッションに対する意識をここまで変えてしまえば、「クール・ビズ」=28℃の実践は簡単になるのかもしれない。