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30日間の「リフレッシュ休暇」がとれる会社

   婚礼プロデュース・衣装事業やホテル・レストラン事業を運営するノバレーゼには、社員にとってうれしい人事制度が多く設けられている。その背景には「人を大事にする」サービス業ならではの考え方があるようだ。

1年に1日の「記念日休暇」も

結婚式は人生の一大イベント(写真はイメージ)
結婚式は人生の一大イベント(写真はイメージ)

   ノバレーゼには、入社3年以上の社員が3年に1度、30日間の休暇を取得できる「リフレッシュ休暇」制度がある。通常の年次有給休暇に上乗せして付与し、分割して取得することもできる。

   休暇期間中は長期で国内・海外旅行に出る人や、家庭で専業主婦をする人など、過ごし方はさまざまだ。自己啓発のために、海外でウェディングドレスのデザインや料理の勉強をする社員も多くいる。

   また、年次有給休暇に加えて、毎年1日、自分で設定した日に休暇を取ることができる「記念日休暇」もある。取得に当たっては、休みたい日と、それが何の記念日であるかを申請するだけだ。

   ノバレーゼの野原和歌氏によると、これらの休暇制度はほとんどの社員が利用しているという。

「記念日休暇を設けたのは、ウェディング事業の会社として、自分の記念日を大切にしてほしいから。リフレッシュ休暇も、個人のモチベーションを上げ、コストを超える効果を発揮しているので、これからも継続して行う予定です」

社員に優しい制度で経験豊かな人材を確保

   ノバレーゼには、「社内FA(フリーエージェント)制度」という人事制度もある。入社半年経過後の社員は、自ら希望した職種への異動を申し出ることができるのだ。2008年末からは、人材が欲しい部署による社内イントラネットへの「求人広告」の掲載が始まった。

   「求人広告」を見て応募したいと考えた社員は、自分の上司に知らせることなく、求人部署と直接連絡を取り合うことができる。ただし、無条件に異動できるわけではなく、求人部署の厳しい「面接」をクリアしなければならない。

   このほか、社員の身分を変更することなく労働時間や勤務日数を「残業なし」「週3回勤務」などと柔軟に変更できる「フレックスキャリア制度」もあり、約400人の社員がすべて申請できる。

   なぜ、このような「社員に優しい」制度が多く設けられているのか。その理由には、ブライダルやホテル、レストランのサービスという「人」にかかわる同社の事業の特徴が反映されているようだ。

「サービスの質を確保するためには、それを提供する『人』の確保・育成が重要です。特に、会社全体の6割超を占める女性従業員の活躍が欠かせません。結婚や出産、子育てをしながら、経験を積んだ女性社員が高いモチベーションを持って働きつづけてくれることが、当社の事業には不可欠なのです」(野原氏)