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「日本ではもう働けない」 海外移住を決意した人たち

   「仕事が楽なら、外国に住んでもいい?」――ライブドアブログの利用者をはじめとするネットユーザーに尋ねたところ、200件以上の投稿があった。回答者は、外国には「住めない」がもっとも多く48%。「住んでもいい」が45%で、「どちらともいえない」が7%だった。

日本の生活に耐えられる人、耐えられない人

隣の芝生がとても青く見えることがある
隣の芝生がとても青く見えることがある

   「外国には住めない」「日本がいい」と答えた人の理由は、言葉を含む文化全般に対応することが難しいからという人が多かった。

「仕事が楽というだけでは、外国に住めません。言葉、文化、物価の問題もあります。物価が安いとそれだけ給料も安い。食文化も大きい問題です」(開陽館珍生活)

   ただ、外国移住は難しいとしながら、「日本の現状には耐えられない」と悲鳴を上げる人もいる。

「深夜、終電まで毎日働かないと、まともな生活ができないってのも、どうかと思います。仕事があるだけましなのかもしれませんが、なんかだまされている。もしくは効率の悪い生活を強いられているような気もします」(miya_key2009のブログ)
「毎日アホみたいな残業ばかりで、休日出勤も1ヶ月に1、2日あるし。別に南の怠け者の国じゃなくてもよいから、毎日定時に帰らせてくれて、休日出勤ナシ、有給休暇は完全消化な国で生活がしたい」(iguryのブログ)

   一方、海外移住の可否はともかく、「楽な仕事に魅力を感じない」「仕事の楽さを追求するのはおかしい」と反応をする人も数多くいた。

「私は、何よりやりがいが欲しい方なので、仕事が楽なのは魅力では有りません」(マスターみずほ台の徒然みずほ台散策記+α)
「楽な仕事で充実感とか達成感とか得られないでしょ? 私、ダメだな。・・・仕事を一生懸命やるから、プライベートが楽しいんだと思う」(ちょっと、トメです。)
「個人的には、楽な仕事って退屈するんじゃないかなって思う。・・・やっぱり、厳しい仕事がないと成長がないしね」(神様なんて信じていない自分へ)

   同様の書き込みがいくつもあったが、日本人は根っからの働き者なのか、過酷な労働環境におかれているのは限られた人たちなのか。それとも「楽な仕事など、どこにもない」から諦めるべきなのか。

海外在住の人たちは賛否両論

   日本を出て、実際に海外で働いている人からの書き込みも数多くあった。miho1068さんは、台湾で5年、中国で5年生活している。そこで感じているのは、やはり「日本の仕事環境はすごく大変」ということ。

「あんな遅くまで家に帰れない人は日本人くらいでしょう。・・・台湾で働いてる日本人はみんな、日本には帰りたくないのが現実。日本の社会全体が変わらないと、快適に働くことは難しいのでしょうね」(miho1068のブログ)

   カナダ在住のMissyさんは、看護師として9年働いている。日本との違いは、看護師が社会的に認められ尊敬される仕事であることと、休みがしっかり取れて私生活も楽しめることだという。

「申し訳ないが日本へ帰る度、“ああ、日本ではもう働けない”と感じてしまう。・・・日本も他国のように看護師をハッピーにさせることができたら、家庭を持ちながらも働けたり、くだらない上下関係やしきたりによるストレスで辞める看護師が減るのではないだろうか」(Canada de Nurse)

   このように海外で働くメリットを強く感じている人もいる一方で、日本を出たものの「海外は楽でない」と教えてくれる人もいる。バンクーバー在住のある日本人社長は、

「18年も海外暮らしをしていて思うことは、海外暮らしに楽はないということです」(外から見る日本、見られる日本人)

と言い、また、タイで働いている人も、

「ボクの場合、仕事は決して楽では無いです。・・・日本人が外国で仕事して楽なはず無いです」(アライナ!泰国生活記)

と、安易な海外移住にクギを刺す。確かに、よりよい労働条件を得るためには、国内で働くにも海外で働くにも、それなりの専門的な知識やスキル、適応能力が必要。そう考えると、いきなり日本の外に飛び出す前にやるべきことがあるようだ。