ツイッターやフェイスブックなど新しいネットサービスが話題になるたびに、「これってなんかに使えないかな」と言い出す上司がいるのでは。しかし他人が火をつけたブームに飛びついても、自社でモノにできる確率はそう高くない。
中川淳一郎氏はネット時代には、企業自身が話題の発火点となる「ニュース」を発信することが効果的であり、そのために古くからある「広報」の機能に力を入れるべきと主張する。
――これまで企業の広報部は長きにわたり、予算が少なく、「無料の宣伝」などと軽く見られてきた。
事業部や宣伝部が作った企画や商品情報を広報担当者に回し、「プレスリリース書いといて」などと言われては、
「本当にお前、商品のこと分かってねぇよな」と舌打ちされ悔しい思いをしてきた広報マンを、私は何人も知っている。
(中川淳一郎著『ウェブで儲ける人と損する人の法則』ベスト新書、70~72頁より)
(会社ウォッチ編集部のひとこと)
ネットニュースの編集者でもある中川氏は、ネットで話題を獲得するためには「新聞文脈」とは異なるユーザー本位の視点が必要だと指摘する。それが「ネット文脈」だ。「突っ込みどころがあるもの」「B級感があるもの」「エロ」「美人」など11項目にのぼるが、詳しくは本書で。実際のプレスリリースを、ネット文脈に合った見出しに変更する例も掲載されている。過去の広報は「マスコミ対策」だったのが、ネット時代になって一般ネットユーザーをも対象とした「広く報じる」という本来の姿に戻ったというわけだ。