J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

話題の「ソーシャルランチ」を初体験してきた

   フェイスブックに登録している知らない人同士でランチを食べる「ソーシャルランチ」がけっこうな賑わいを見せているということで、実際に体験してみた。

   2011年10月に開始した「ランチタイムの社外交流」を促進するサービスで、より有意義なランチタイムを過ごしたいビジネスパーソンに人気らしい。登録者数はおよそ2万人で、3か月の間に900組、のべ3600人もの「出会い」の場を作り出している。

「友達」とペアで出かけるエリアを選択

アプリが「こちらのペアといかがでしょう?」と提案してくれる(写真と名前にモザイクをかけています)
アプリが「こちらのペアといかがでしょう?」と提案してくれる(写真と名前にモザイクをかけています)

   進め方は意外と簡単。フェイスブックの会員になって「ソーシャルランチ」のアプリからいくつかの情報を選択するだけ。個人情報は基本的にフェイスブックのものを流用するので、いちいち入力はいらない。

   ただし、登録後にソーシャルランチをするにはフェイスブック上の「友達」とペアを組むことが必須だ。β版ではひとりでもランチを申し込めたのだが、ユーザーから「初対面の人といきなり1対1は厳しい」という声が寄せられて、ルール変更となったようだ。

   筆者(20代女性)は、前職で同じ部署だった30代男性デザイナーAさんに協力を頼んでペアを組むことにした。

   まずは、2人がランチ可能なエリアを選ぶ。東京の8エリアから「渋谷」を選択すると、次画面でいきなり「こちらのペアとのランチはいかがでしょう?」という写真入りの提案画面が登場する。

   有名企業のマーケッターと有名サイトのウェブマスターの男性ペアだ。ここで「ソーシャルランチをやってみたい!」のボタンを押すと、先方にこちらの情報が送られる。承諾されればランチ成立だ。しかしとりあえずここは見送り、別な候補の提案を待っていた。

   数日たって、今度は事務局から「Bさんペアからランチのお誘いが届きました」とお知らせが届いた。ひとりは30代の男性経営者Bさん、もうひとりは20代の女性会社員Cさんだ。こちらも男女ペアなのでちょうどいいと思い、承認メッセージを送ってみた。

意外なつながりで仕事に役立つかも

   それぞれがランチ可能な日時を入力し、4人全員の予定が合えばランチの成立だ。

   待ち合わせの時間に、渋谷のイタリアンでランチがスタート。自己紹介など堅い話題をしながら食事をするうちに、全員がネットのビジネスに関わっていることが分かり、少しずつ打ち解けながら話題が広がっていく。

   Bさんは、新規事業を計画中。新しいスマホアプリの開発と、アプリに関するウェブサイトを作ろうとしていて、「ウェブ立ち上げの際には、デザインについて相談に乗ってもらえますか?」とAさんに声をかけた。ランチの場から、仕事につながる可能性もありそうだ。

   Bさんからは、筆者が所属していた会社のサービスについて「あの仕組みって、どうなってるんですか?」と尋ねられたが、ここは守秘義務に違反しない範囲に気を使って説明をした。なるほど、他の人はこういう点に興味を引くのか、ということが面白かった。

   そのほか、インターネットと音楽の関係に詳しいCさんから「これからどんなサービスが流行りそうか」について、けっこう専門的で貴重な話を聞かせてもらった。

ネットで知り合いリアルで会うのは楽しい

   1時間ほどで食事を終え、連絡先を交換して解散となった。ということで、個人的には有意義だったソーシャルランチ初体験だが、ひとつだけ笑えたことがあった。

   それは、Cさんとは実は初対面ではなく、1年前に渋谷の合コンで会っていたことだ。事務局からのメールのときに薄々気づいていたが、実際に会ってみて大爆笑!

   奇跡的な偶然の再会なのだろうが、もしかすると積極的に色々な人と交流を持とうとする人は、まだそんなに多くないのかもしれない。個人的には、パリの街角のカフェで知らない人同士が談笑しているようなノリで、ネットがきっかけで知り合った人とリアルで会うのは楽しい、と思った。

池田園子