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「セルフ式うどん店が絶好調」の報道に、本場・四国から批判の声

   ランチ1食あたりの平均予算が500円を切るといわれるサラリーマンにとって、立ち食いそばやうどんの店は大きな味方だ。安いうえに腹持ちがよく、待たされる時間が短くてサッと食べられるところもよい。

   そんな「そば・うどん店」の売り上げは、外食市場全体が微減する中で、堅調さを確保している。ウェブマガジン「MONEYzine」によると、中でも「セルフ式うどん店」が店舗数を急速に増やしており、競争は激化の一途であるという。

「自分で茹でて出汁を入れなきゃセルフじゃない」

香川銀行には「セルフうどん支店」がある
香川銀行には「セルフうどん支店」がある

   記事では、吉野家HD傘下の「はなまるうどん」や、神戸に本社を置くうどん店「丸亀製麺」に加え、店内製麺のそば店「ゆで太郎」を好調の「セルフ式」として取り上げている。

   しかし、本場・四国にゆかりがあると思われるネットユーザーからは、この表現に批判の声があがっている。

「ゆで太郎はセルフじゃねえし。はなまるも丸亀もセルフかっていうと微妙だが」
「セルフは自分で茹でて、蛇口ひねって出汁入れなきゃね」

   紹介された店は、社員食堂やファストフードと同じように、カウンターで食べ物を受け取り、食後は返却口に食器を返しにいく一般的なセルフサービスを採用している。

   しかし、本場の「セルフ式」は単なる「立ち食い」ではなく、調理の工程まで自分で行うものを指すようだ。香川県が運営するウェブサイト「麺の博物館」によると、

「カウンターでうどん玉の数を告げ、食器に入ったうどんを受けとって自分でお湯で温め、出し汁をかけ、オプションの天ぷら・おでん・すしなどを取って、代金を支払い、食べ終えたら食器を返しにいくというパターン」

こそが、セルフと呼ぶに値する店のようだ。「はなまる」や「丸亀」は、トッピングの天ぷらなどを自分で取るところまではいいが、すでに汁に入った麺が出てくるところが不徹底ということになる。

「サイドメニューでおでんやってくれないかな」

   また、立ち食いやセルフのうどん・そば店を「安くていいよね」「サラリーマンの味方」と評価する声に、異論を吹っかける人がいる。

「客に調理の肩代わりをさせんじゃねえ!」
「天ぷらやらお稲荷さんやら取ってたら、意外と高くつく」

   素うどんの安さにひかれて入店した後に、食欲が刺激され、かき揚げなどのトッピングを取り、生卵を追加し、麺を大盛りにしたりおにぎりを追加したりすると、意外と高い値段になるというのだ。

   ある人は、憤りを込めて「『セルフ!安い!』連呼のトッピング商法」と揶揄している。ただし、香川県では「ぶっかけ中(2玉)」と「鶏の天ぷら」「稲荷すし」を合わせても340円で食べられるという書き込みもある。やっぱり本場は安いのか。

   サラリーマンたちの「うどん・そば」に関するこだわりは、これだけでは止まらない。

「香川のうどんは10分くらいしっかり茹でるだろ。だからうまい。東京の人間はうどんで10分も待てない。だから既に茹でたうどんになってまずい」
「丸亀で良いところは、ネギと生姜を山盛りで入れられるところだな」
「本場みたいに、サイドメニューでおでんやってくれないかな」
「讃岐みたい硬いうどんは嫌いだ。九州人だからモチモチしたうどんの方が好き」

   結局、「日本最強のファストフード」である立ち食いうどん・そば店に、少なからぬこだわりをもった人たちが大勢いるということが、よく分かった。