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「赤羽と赤羽橋を間違えた」――就活生の冷や汗トラブルにリクルートが助言

   就職活動は「学生生活の総仕上げ」ともいうべき、一生モノのイベントだ。そんなときに想定外のことが起こってしまったら、どう対処すれば良いのだろうか。

   いざというときに動転してしまわないように、先輩たちの身に降りかかった「事件」をまとめ、リクルート社に助言してもらった。現役学生のトラブル予防の参考になれば幸いである。

使いこなせないスマートフォンには要注意

都心の地下鉄網は複雑だ。「本命」の会社は下見が必要かもしれない
都心の地下鉄網は複雑だ。「本命」の会社は下見が必要かもしれない

   取材で多く聞かれたのは、説明会や面接における「遅刻」や「欠席」に関するトラブル。社会人になると「時間厳守」は当たり前なので、約束の時間に間に合わないことは、就職活動において致命的となる。

   「面接開始の時間を間違えた」「ダブルブッキングしてしまった」というスケジュール管理上でのミスは、特に注意したい。「慣れない土地で電車を乗り間違えた」「ビル街で迷ってしまい、会場になかなかたどり着けなかった」という人も少なくないようだ。

「会社は赤羽橋(東京・港区)なのに、間違えて赤羽(同・北区)で降りて必死で探してしまった」

   新しく買ったスマートフォンの操作に慣れないまま、スケジュールの入力ミスをしたり、GPS機能の使い方が分からず右往左往した人もいた。文明の利器を使いこなす自信のない人は、紙の手帳や地図を使った方がよい。

   面接会場は、予想よりも寒かったり暑かったりすることがある。寒すぎて集中できなかったり、汗をダラダラ流して面接を受けるハメになったという人もいた。見た目もさることながら、体温調節ができる服装を用意しておくのが吉だ。

   また、たくさんの会社を受けているうちに、

「何の会社かを忘れて面接に臨んでしまい、質問に答えられなかった」

なんてことにならないよう、事前準備は周到にしておきたい。エントリーシートで「盛りすぎ」ると面接のときにボロが出るので、ウソは書かない方がいい。

事後対応のうまさでミスを取り返せることも

   このほか、「滞在中のホテルで激しい下痢と高熱で起き上がれなくなり、面接に行けなかった。上京費用がパーになってしまった」「風邪をこじらせて声が出ない状態で面接に臨んで失敗した」と嘆く人も。健康管理には十分気をつけたい。

   想定外のことが起きたとき、就活生は諦めるしか方法がないのだろうか。就職サイト「リクナビ」の岡崎仁美編集長によると、ミスや問題を起こしてしまったときこそ、相手の立場にたった適切な事後対応が問われるという。

「面接に遅刻や欠席をしてしまったときや、ダブルブッキングをしてしまったときは、企業の担当者に速やかに謝罪の連絡を入れましょう。顧客のニーズが多様化し、競争が激化している今、企業はより一層『相手の立場に立ってモノを考えられる人』を求めています」

   連絡手段は、メールよりも電話が好まれるケースが多いが、時間帯や曜日によっては、スピードを優先してメールで連絡しておき、追って電話するなど「TPOに合わせた臨機応変な対応」を心がけるべきという。

「トラブル対応は就職活動だけでなく、むしろ社会人になってから必要とされるスキル。今からトレーニングしておいて損はありませんし、それによって先方の印象が大きく変わる可能性もあります」

   採用担当者も人間だ。「この人は誠実そうだ」と思わせるトラブル対応に成功したら、失点を思わぬ形で挽回できるかもしれない。