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入社式、各社で工夫 「先輩の靴磨き」「部長とバージンロード」も

   2012年の入社式が4月1日と2日、各社で行われた。「新卒一括採用」の見直しを表明する会社も出ている中で、厳しい選考をくぐりぬけた精鋭たちのモチベーションを高めようとする取組みが見られた。

   サマンサタバサはAKB48の板野友美さん、テレビ朝日は武井咲さんを式に招いた。武井さんは「何年後かに、一緒にお仕事できたらうれしいなと思います」とメッセージを贈った。

パナの新人代表はインドネシア人女性

「グローバル化への対応」を感じさせる例が多い
「グローバル化への対応」を感じさせる例が多い

   高島屋は入社式にあたり、新入社員に「スーツ着用禁止」を申し渡した。「若い感性で老舗の旧弊を打ち破ってほしい」というねらいだ。とはいえ高島屋の得意先には、身だしなみやマナーに厳しい富裕層の中高年が多く、カジュアル化よりフォーマル化を徹底すべきではという意見もある。

   社内公用語を英語とする楽天は、入社式をすべて英語で行った。グローバル化への対応を目指す会社の姿勢が感じ取れるが、欧米では新卒採用や入社式はほとんど見られない。日本的なセレモニーを英語で行うことに、チグハグ感を抱いた出席者もいるかもしれない。

   パナソニックは、パナソニック電工や三洋電機との経営統合後、初めての入社式を開催。約350人の新入社員を代表して、インドネシア人の女性が辞令交付を受けた。社員たちにグローバル化への対応を印象づけたことだろう。単なるお祝いの儀式ではなく、経営メッセージが強く打ち出されたものであれば、開く意味もありそうだ。イオングループは、式典の様子を中国やマレーシアに生中継した。

   変わったところでは、靴用品の老舗コロンブスで恒例の「靴磨き入社式」が開かれた。先輩が後輩に靴の磨き方を教え、お互いに磨き合うものだが「組織の上下関係を叩き込んでいるみたい」と揶揄する声もある。

   食品メーカーのネスレ日本では、新入社員と社長が「新婦」「新郎」役を務め、入社を結婚になぞらえた式典が行われた。社員代表の女性は、人事部長とともにバージンロードを歩き、「苦しい時も喜びの時も、変革の気持ちを持って歩みます」と誓いの言葉を述べた。なお、式の内容は会社の強制ではなく、「企画とイノベーション」をテーマに新入社員51人が話し合って決めたという。