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企業口コミサイトが「不正告発」の受付窓口を開設

   年収と企業口コミサイトのキャリコネは、2012年4月3日より企業不正の内部告発情報を受け付ける窓口を開設した。当該企業の関係者から提供された内部情報を基に、キャリコネの「調査班」スタッフが現役社員やOBなどを取材・インタビューし、不正が明らかになった場合には記事としてまとめる。

   記事は自社サイトの「Bizトピックス」で公開するほか、提携するニュースサイトにも配信。記事の作成に当たっては当該企業に事実確認を行い、「裏取り」には慎重を期する。企業などからの圧力に屈せず、内部告発者(情報提供者)や取材協力者の個人情報は厳重に管理するという。

独自に「調査班」を編成し中立性を守る

   キャリコネは現在10万件以上の年収・企業口コミを集めており、会員になれば自由に検索、閲覧できるようになっている。日本企業の労働生産性をあげるためには、労働環境の改善が欠かせないと考え、企業の実態や問題行動に関する情報を集め、自社サイトに記事として公開する活動を行っている。

   サイトを運営するグローバルウェイの各務正人社長は、2007年に北海道苫小牧市で発覚した「ミートホープ事件」を例に挙げ、内部告発の重要性を強調する。この事件では、ミートホープの常務が行政機関に相談をしたが受け付けてもらえず、大手新聞が取り上げるまで10年以上も問題行動が放置されていた。

「企業不正の根絶には、報道機関やメディアが圧力をかけることが欠かせない。しかし、大手メディアは広告主との関係などを考慮し、情報を入手しても報道しないことが多い。そこでキャリコネがメディアの役割を担い、事実を世間に伝えようと考えた。サイトのスポンサーは趣旨に賛同してくれているので、広告主への気遣いも不要だ。客観的な取材で企業不正を告発したい」(各務氏)

   告発窓口のURLは https://careerconnection.jp/accusation/accusation.html 。告発は客観的な事実があれば、現役の従業員のほか元従業員や取引先、知人がその会社の従業員である場合でも可能。ウェブサイトのフォームから24時間投稿できる。なお、十分な事実確認ができない場合や個人的な怨嗟、誹謗・中傷は取り上げず、すべての告発の掲載が保証されるものではない。また、告発内容を実証できるデータや画像の添付を奨励している。