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ノルマ未達成でコスプレ 22万円判決に「日本はパワハラに優しい国」の声

   販売ノルマを達成できなかった60歳代の女性契約社員に対し、ある化粧品会社の子会社が行った「罰ゲーム」が、ネットで話題となっている。

   女性は美容部員として勤務していた2009年10月、販売ノルマを達成できなかったとして、支社での研修会に参加を求められた。そこで上司から他の美容部員と共にコスチュームの入った箱を選ばされ、易者の服装とウサギのカチュ-シャを着用させられた。

「精神的苦痛の評価が低すぎる」として控訴

うさ耳つけても成績は向上しない
うさ耳つけても成績は向上しない

   女性の「コスプレ」姿は本人に断りなく撮影され、その様子は別の研修会でスライド上映されていた。

   「ノルマを達成できないと、こういう目にあわせますよ」という文脈だったかどうかは分からないが、そのことを知った女性は非常に傷ついたようだ。

   その後、うつ症状を伴う「身体表現性障害」と診断され休職を余儀なくされたという女性の訴えに対し、大分地裁は「正当な職務行為とはいえず、心理的負荷を過度に負わせる行為」とし、同社と当時の上司らに22万円の支払いを命じた。

   この判決には「日本はパワハラに優しい国」など、甘すぎると批判する声が上がっている。

「日本で良かったねぇ。22万円ですむ」
「アメリカだったら1億ドルくらい取られそうなひどさだな」
「もしうちの母親が同様の辱めを受けたら絶対その企業を許さない」

   元美容部員という人も「はらわた煮えくり返る」と強く非難している。一審判決を受けた原告の女性側は、元々330万円の損害賠償を請求していたこともあり、「精神的苦痛の評価が低すぎる」として控訴する方針だ。

スクール水着を着せられたという男性も

   その一方で、若手社員が多い職場で働く人たちの間では、「コスプレによるペナルティは定番(になっている)」という書き込みもある。

「これちょっとユーモアのある罰ゲームだったんじゃないのかなぁ…?」
「知り合いの子とか、罰ゲームでノリノリでバニーガールの格好してた」

   罰ゲームで、女性用のスクール水着を着せられたという男性もいた。ただし、遊びのノリの罰ゲームと、緊張感ある職場での罰では、受け取り方は大きく違う。ノルマや上司が関わったコスプレは、表向きは任意だとしても断ることは難しいだろう。

   社員がニコニコしているからといって楽しんでやっているとは限らず、心の中では泣いているかもしれない。「これは業績アップに向けた職務だ」と胸を張って言えないことは、この際やめておいた方がいいだろう。