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年度末の繁忙期に6連休… 「有給休暇の完全消化」を自慢する人たち

   マイナビニュースが「男から見て思わず引いてしまう痛い男」のアンケート結果を発表している。自分の周りに、痛々しいほど勘違いしている「痛い男性」がいると答えた人は31.3%を占めた。

   回答者のコメントを見ると、周囲から「痛い」と思われるパターンには、TPOをわきまえずにオタク趣味や性風俗の話題を語りだす人、学歴や勤務先の自慢をする人、自信過剰やナルシストの人などがあるようだ。この中に、サラリーマンには見逃せないコメントがあった。それは「有給休暇自慢をする大企業社員」に対する批判だ。

「大企業勤めなのはいいが、『有休取らないと人事に怒られちゃってさー』とドヤ顔で報告してくる人。休みたくても休めない人がいる中で、その発言はないわ、と思った」(25歳男性、事務職)

ホンダの「平均有休取得率」なんと102.4%

権利は権利。「忙しいから」なんて言わせない?
権利は権利。「忙しいから」なんて言わせない?

   年度末の繁忙期にもかかわらず、ツイッター上には有給休暇の完全消化のために仕事を休んでいるという書き込みが見られる。「有給休暇消化で明日から6連休」という人もいた。有休取らないと人事に怒られる、という会社が存在するのは事実のようだ。

   「CSR企業総覧」(東洋経済新報社)の「有給休暇取得率トップ300」を見ても、大手企業が有給休暇の取得促進に熱心なことが垣間見られる。1位のホンダは、2009年から2011年までの「平均有給休暇取得率」が102.4%にものぼっている。

   100%を超えている理由は、過去の有給休暇の「積み残し」分を消化しているから。その年に付与された分すら消化しきれない人からすると、あっけにとられるほどの消化率の高さだ。東レのように、09年度の62.9%から11年度に93.1%まで引き上げた会社もある。

   中小企業の社員にはうらやましい環境だが、その一方で、当然の権利を行使しているだけなのに、なぜ「痛い」などと言われるのかと反論する大企業社員もいる。「自慢でもないのに一方的に妬んでくる」のが不快だというのだ。休みが取れないと嘆く前に、自分から行動を起こせと呼びかける人もいる。

「俺の経験上、休み取れないって騒いでるヤツって、単にそいつの杞憂で、『どうせ断られるから』って休み申請すらしてないんだよな。そら申請してなきゃとれないだろ。『彼女できない自慢』と同じで、行動を起こさなきゃそら変わらんわ」

   確かに言いたいことも理解できる。とすると、痛いのは「休みを取った」と自慢する人なのか、「ぜんぜん休みを取れない」と嘆く人なのか…。