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「主要1300社の年収データ」 東洋経済が集計

   週刊東洋経済(2013.4.6号)が「給料大格差時代」という特集を組んでいる。主要1300社の年収データを集計し、業界別にランキング形式で並び替えている。就職先や転職先を考える上で「同じ業界内でもこんなに差があるのか」と参考になるだろう。

   データは2011年度のデータを使っているが、その時点での「40歳推計年収」だけでなく「1人当たり付加価値額(企業が自ら付加し創造した価値を従業員数で割った額)」も入っており、「給料もらいすぎ」「人多すぎ」の会社も浮かび上がってくる。

大手を上回る年収のキーエンス、ファナック

「工場自動化」の波に乗った企業が絶好調(写真は無人化されたワイン工場)
「工場自動化」の波に乗った企業が絶好調(写真は無人化されたワイン工場)

   電気機器業界では、トップのキーエンス(1523.2万円)や2位のファナック(1012.7万円)の40歳推計年収は、大手の日立製作所(800.3万円)や富士通(763.1万円)、東芝(762.5万円)、三菱電機(760.1万円)、キヤノン(759.0万円)を大きく上回る。

   キーエンスは、FA(ファクトリー・オートメーション)用のセンサーなどを製造販売する大阪の会社。自社工場を持たず、製品開発と営業に特化する「ファブレス企業」だ。世界初の製品も多い。

   ファナックは、工作機械用FA装置や産業用ロボットを製造販売する会社。山梨・忍野村に本社を置き、産業用の多関節ロボットでも世界トップクラスのシェアを持つ。

   両社はテレビCMも打っていないし、日常的に製品やブランドが目に入る会社ではない。しかし、工場のロボット化で製造効率化が進む波に乗って業績を好調に伸ばしている。

   キーエンスの社員1人当たり付加価値額は5925万円、ファナックは1億689万円。社員が平均で1億円以上の価値を生み出す仕事をしていれば、高給をもらって当然だ。

   一方で、高給のわりに付加価値額の低い会社がある。同じ業界のソニーは、40歳推計年収が915.5万円と高いが、1人当たりの付加価値額は625万円と低い。このような会社は、たとえ給与が高くても、その裏では賃下げやリストラの準備が進行しているおそれがある。

   実際、ソニーは12年度にグループで1万人規模の人員削減を行っており、その兆しは11年度のデータに現れていたことになる。記事によると、ソニーの現在の年収はリストラ策によって「1人当たり付加価値額に近づいている」とのことだ。