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フリーランスは名刺に「Gmailのアドレス」を刷らない方がいい?

   無料なのに高機能で便利に使えるGoogle社のGmail。メールの保存容量は10GB以上、高速での「検索」や、一連の返信メールをまとめて確認できる「スレッドビュー」など、使い勝手のよさを重宝している人は多い。

   しかし、Gmailはフリーサービスなので、誰もが簡単に作成できてしまうのも事実。なりすましも可能なので、セキュリティの厳しい企業の中には他のフリーメールと同様、受け取りを拒否しているところもあるらしい。

「時代遅れ」「バカバカしい」と批判もあるが

「え、この人Gmailなの?」…クリエイターは足立区の名刺を出すなと似たようなものか
「え、この人Gmailなの?」…クリエイターは足立区の名刺を出すなと似たようなものか

   このような点を理由に、Gmailは信頼性が低いので「フリーランスは名刺にGmailのアドレスを刷らない方がいいのではないか」という意見がある。

   大手IT企業に勤める大元隆志氏は、会社の業務外の講演や執筆を依頼されたとき、会社の名刺を渡すことに違和感があった。そこで個人の名刺を作ろうと考えているが、そこにどんなメールアドレスを刷るかが悩ましい。

   「古い考えと思われるかもしれないが」と断ったうえで、自分が受け取った名刺のメールアドレスがGmailなら、「個人間での取引は出来ても、会社としての取引は控えざるを得ないと感じるのが正直な感想」と明かしている。

   この考え方には、ネットで合理的ではないという批判がある。

「いまどき名刺に入ってるメールアドレスがGmailだから信用ならないってのが時代遅れ」
「バカバカしい。タイやベトナムなんか公的機関の連絡先がgmailやhotmailなんてことも珍しくないのに」

   4年の活動実績があるフリーライターも、「上場企業から大手出版社、編プロやメーカーなどから依頼を受けるなかで、Gmailが問題になったことは一度もない」という。名刺にGmailアドレスを刷っているフリーランスのデザイナーに聞いたところ、「同じフリーアドレスでもGmailは別格。これを拒否する会社とは仕事にならないですよね」と首をかしげている。

名刺に自宅住所は不要? メアドあれば仕事は済むか

   通常のインターネットプロバイダのメールアドレスでも、簡単に作ったり解除したりすることが可能なので、ほとんど変わらないという人も。一方で、やはり使い捨てできるGmailはビジネスの場にふさわしくないという意見も根強い。

「日本だと通常仕事でGmailのアドレスはNG。場合によってはブロックされたりもあるし」
「会社的に見るとフリーメールのアドレスの会社とはどうしても基本的に取引は遠慮します」

   議論の中で、Gmailの利便性を活かしつつ、別ドメインを使う方法があると指摘する人がいた。Google Apps(グーグル アプス)というサービスを利用すると、独自ドメインでGmailなどのサービスが使えるという。1アカウントあたりの費用は、年間6000円。維持費ゼロでやってきたフリーランスから見ると、「やっぱり高いな」と思う人もいれば、「これで信頼が得られるなら安いものだ」という人もいるだろう。

   このほか、大元氏は「フリーランスの場合、(名刺に)住所を書く人と書かない人もいるようだ」として意見を求めている。確かに事務所がなく住所が自宅の場合、明かしたくない人もいるだろう。

   仕事にはメールアドレスと携帯電話番号で十分とも考えられるが、これに対しても「固定電話じゃないとダメ」「住所氏名も出せないような奴はフリーランスで仕事するなってほんと思う。その程度のリスクも取れないならおとなしく企業に飼われろ」という声もあり、意見が分かれそうだ。