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社長の男児誕生を祝う写真がフェイスブックに 株主「御社は暇なのですか」

   サイバーエージェントが自社サイトに開設している「IR掲示板」には、投資家からさまざまな質問が寄せられる。厳しい内容も少なくない。

   最近、こんな直球の投稿が掲載された。「御社は暇なのですか?」。どうやら社長のプライベートな祝い事に社内で「大はしゃぎ」している様子を知って苦々しく思ったようだ。会社側はどう答えたのか。

ホリエモンもツイッターで反応

会社にとって好都合でない照会も公開する姿勢に「このIRは凄い」の声
会社にとって好都合でない照会も公開する姿勢に「このIRは凄い」の声

   「MRビッグ」と名乗る投稿者がかみついたのは、サイバーの藤田晋社長に男児が生まれ、社内で祝う様子がフェイスブックに投稿されたことに端を発している。

   子どもの誕生自体は祝福しているが、フェイスブックで公開された写真を見て「Tシャツまで作り、どう見ても社内でそれもオンタイムにはしゃいでいるように思えてなりません」と憤慨する。

   確かに写真をみると、赤ちゃんの顔と「生誕おめでとう」の文字をプリントした揃いのTシャツを着た面々が、社内の一角とみられる場所で記念写真に収まっている。役員まで顔を並べ、何をはしゃいでいるのかと投稿者は憤り、「御社は暇なのですか?」のひと言につながったようだ。

   さらに「同業他社に対して、さほど評価されておらず、株価も業績とは相反し、低迷している折、株主を逆なでするような態度は上場企業としていかがなものでしょうか」と容赦ない。説明を求めた投稿者に対して、このような回答が掲載された。

「当社は、社員の誕生日などを祝福する文化を大切にしており、就業時間外を選び、今回のような機会を設けておりますがご気分を害してしまい、申し訳ございません」

「上場企業は大変だな」の声

   このやり取りはツイッターでも話題となった。堀江貴文氏はひと言「最高!w」と反応し、またLINE執行役員の田端信太郎氏は「このIRは凄い」とつぶやいた。

   あまりにもストレートな物言いの質問者には「おもしろい」と喝さいが起きた半面、「投資家として投資先間違えてる」「上場企業は大変だな」と少々批判的な向きもあった。一方、サイバーの対応については「ひどい回答」との意見や、逆に「律儀だ」と評価する書き込みも見られた。

   今回の質問者は、これまでも頻繁に掲示板に書き込んでいる。2013年2月22日には、藤田社長が著書を刊行したりメディアに露出したりしている半面、「実際の事業の状況については、あまり何も発信されているように思えません」と指摘している。

   掲示板で藤田社長向けに質問をしても本人からの返事はなく、ツイッターで直撃したら「ブロックされた」と不満を漏らした。こうした内容には、会社は「IR掲示板では、藤田の考え方を代弁し、ご回答しております」と説明している。

社名を「アメーバ」に変えてはどうかとの提案も

   鋭い質問は他にもある。2012年12月16日付のものは、当時世間を騒がせたペニーオークションの詐欺事件に絡み、「ペニオク事件のステルスマーケット『詐欺』に加担した芸能人の方々がサイバーエージェントから続々出て来るのは偶然でしょうか」との問い合わせだ。

   一部の芸能人がブログで、あたかもペニオクで商品が安価で手に入ったと書き込んで「ステマ」に加担していたことと関連している。

   これに対しては「一部メディアやネット上で報じられている複数のAmebaの有名人・芸能人ブログでのペニーオークションサイト紹介記事について、当社ではグループ子会社含め、一切関与しておりません」と明確に否定した。

   直近の8月1日には、社名を「アメーバ」に変えてはどうかと提案された。世間では「サイバーエージェント」より浸透しているからというのが理由だ。これには、アメーバ事業以外にも複数を手掛けていることから社名変更の予定はないと答えている。