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在日留学生を「訪日客広報」の専門家に JTBコミュニケーションズが育成事業

   2020年の夏季五輪開催都市が、2013年9月7日に決定する。一部には「東京に決定か?」という記事もあり、建設や不動産、旅行などの業界では期待を膨らませているようだ。

   多くの外国人が日本を訪れる際に問題となるのは、彼らを迎え入れる体制だ。その体制を魅力的な形に整えていくために、各施設や企業から期待されているのが、日本の魅力を知る外国語が堪能な「在日留学生」の存在だ。

外国人の視点から日本を見直し助言する

外国人の感性を、外国人観光客誘致に活かせ!インバウンドサポーターズのみなさん
外国人の感性を、外国人観光客誘致に活かせ!(インバウンドサポーターズのみなさん)

   2020年の五輪招致に成功すれば、東京には多くの外国人観光客が訪れる。これをビジネスチャンスとして生かすためには、訪日客と同じ目線に立つことが必要だ。それには、日本に精通する外国人のフィルターを通して商品やサービスを見直すことが近道になる。

   そこで大手旅行代理店・JTBのグループ会社であるJTBコミュニケーションズが、在日留学生を、訪日客を招く「インバウンド(誘致)プロモーション」の専門家として育成する事業を行っているという。

   事業を推進するのは、同社のグローバルコミュニケーション局。今年5月に25名の在日留学生で構成した「インバウンド・サポーターズ」を結成し、コンサルティングや広報に必要な教育を継続的に行っている。

   インバウンド・サポーターズは、すでに大手電鉄が発売するオリジナル切符を訪日客に告知する方策についての意見交換に参加するなどしていて、今後は、訪日客を誘致したい一般企業や自治体からの依頼を募っていくという。担当者によれば、インバウンド・サポーターズの中から、より専門的な視点で関係者をけん引する「インバウンド・プロデューサー」の育成にも着手するそうだ。

   日本を愛する留学生の視点に、本格的なプロモーション機能が備わったインバウンド・プロデューサーが育てば、東京五輪を契機とした「日本の情報発信の窓口」として大きな力になることだろう。