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「抜け毛の秋」を切り抜けろ! 夏の終わりに専門医が教える「3つのポイント」

   厳しい残暑に加え、仕事のストレスやお盆の家族サービスで夏バテ気味…というサラリーマン諸氏も多いかもしれない。そうした今の時期、夏バテ以上に深刻な可能性があるのが「頭髪へのダメージ」なのだという。

   そういえば、秋は「抜け毛の季節」と耳にすることがある。老化の入り口にある30代男性には他人事ではないが、噂は本当なのだろうか?

紫外線は毛母細胞や遺伝子を傷つける「夏の大敵」

脇坂クリニック大阪 ・脇坂長興院長(大阪 梅田)
脇坂クリニック大阪 ・脇坂長興院長(大阪 梅田)

   今の時期、頭髪は相当な悲鳴を上げている。その最大の原因は「紫外線」。人間の頭は紫外線に晒されやすく、夏の間に浴び続けてきた影響が頭皮や髪に出てくるという。外出が多い営業職などは、とくに注意が必要だ。

「紫外線が強くなるのが、5月中旬ごろから。頭皮と頭髪が受けたダメージは、2~3か月後まで影響が続きます。つまり、ちょうど晩夏~初秋の今頃。紫外線は肌をつき抜けて皮下組織にまで達し、髪の毛をつくる毛母細胞そのものや遺伝子を傷つけることがあるため、抜け毛や薄毛、白髪の進行につながる可能性があります」

   そう説明するのは、国内最大級の薄毛治療の臨床数・改善事例数を誇る脇坂クリニック大阪 ・脇坂長興院長(大阪 梅田)。季節の変わり目となる秋口は、夏の疲れが出たり、暑さによる皮脂の分泌で毛穴がつまりやすくなったりするので、頭皮や髪にとってはさらに負担が増すという。

   ただ、すべての人にとって「秋は抜け毛の季節」と言えるわけではない。この季節の抜け毛は「夏毛から冬毛へ生え変わる名残」という俗説があるが、「それは動物だけの話。人間の“毛が抜けやすい季節”は人によって異なるため、秋に抜け毛が多いとは一概には言えません」と脇坂院長は言う。つまり、しっかりケアすれば「秋の抜け毛」は防げるというわけだ。

   大正製薬が2012年に行った「男性の薄毛に関する調査」によると、薄毛対策をする人の中では「育毛剤・発毛剤」(29.8%)や「育毛・スカルプケアシャンプー」(28.7%)が人気のようだ。しかし脇坂院長は、それらの効果・効能を熟知したうえで次の3つのポイントさえ守れば、かなりのケアができるとアドバイスする。

   1つ目として、なるべく紫外線を浴びないことが大切だ。最近では男性用の日傘も見られるが、手軽なのは帽子をかぶることだろう。ただし頭皮のためを思うと、かぶりっぱなしにせず、たまに外してムレを防ぐ必要がある。風通しが良い麦わら帽子はオススメだ。

汗で汚れたからといってゴシゴシ洗うのは禁物

   2つ目は、夏のダメージを回復するために食事にも気を使いたい。とくに心がけたいのが亜鉛を中心としたミネラルの積極的な摂取だという。

「亜鉛が十分に足りていると髪は太くなり、伸びるスピードも速くなります。逆に不足すると、毛髪のもとになるケラチンというタンパク質の合成がうまくいかず、髪の生成を妨げてしまうのです。お酒を飲む人は体内でアルコールを分解するためにも亜鉛が使われるので、気を遣ってほしいですね」(脇坂院長)

   亜鉛はカキやレバーなどに多く含まれるが、吸収効率があまりよくない栄養素といわれているので、サプリメントなどを上手に利用するのもよい。

   3つ目は、シャンプーの仕方だ。汗で汚れたからと、ゴシゴシ洗うのは禁物。頭皮が傷つくと、髪にも影響があるという。脇坂院長は「男性はつい力強く洗いがちですが、指先ではなく指腹の部分を使い、毛穴の汚れを溶かし出すイメージでやさしく洗うとよい」という。上から押さえるように洗うと力が強く入ってしまうため、下から髪の根元を持ち上げるように洗うとよいそうだ。

   季節性の理由で抜けた髪は、大部分がまた生えてくるものの、もしも「抜けた髪が生える速度が遅くなった」「最近、髪の毛が細くなってきた」と感じるようなら、進行する薄毛である可能性もある。

「髪の毛が薄くなりはじめてからも、早いうちであれば治療によって改善の見込みがあります。しかし、進行しはじめてから10年以上経っていると、期待するほどの改善が難しいケースもみられます」(脇坂院長)

   思い当たるフシがある人は、専門医の受診を視野に入れつつ、しっかりと頭髪のケアをしたいものだ。