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授業休む学生に大学が電話する時代 「甘い」と怒る社会人だって豪快「無断欠勤」

   国立の山形大学が、無断で授業を休んだ学生に学校側から電話をかけて悩み相談に応じる。学生の逮捕など不祥事が相次いだため、防止策として取り入れたようだが、「子どもじゃあるまいし」と冷ややかな意見もある。

   社会人になれば、会社を休む場合は自ら連絡を入れるのが当然。無断欠勤すれば最悪の場合「解雇」になりかねない。

強盗を自作自演、徒歩で北九州から佐賀まで帰宅

きょうは休も
きょうは休も

   山形大は、1年生約1700人のなかで授業を休みがちな学生を対象に「電話連絡」を実施する。2013年10月16日付の山形新聞では、同大の「以前では考えられないが、手厚い学生支援をしなければならない時代」とのコメントを紹介。種々の理由からキャンパスに来られない学生に手を差し伸べるのも大学の役目で、不祥事防止につながると考えているようだ。

   ただツイッターの反応は、あまり芳しくない。大学1年生なら立派なおとな、過保護とも思える措置に大学を「国立幼稚園」と冷やかす声や、まるで監視するような体制に「息苦しい大学だ」と批判も出た。一方で「日数の差はあれど、欠席が続くと電話orメールする大学は増えているようです」との意見もあった。

   会社員も、無断で仕事を休めば職場から電話がかかってくるだろう。大抵は、「なんで連絡もしてこないんだ」ととがめられるに違いない。事故などの緊急事態に遭遇したケースを除いて、電話も入れずに仕事を「サボる」人は、社会人としての常識に欠けているというわけだ。

   だが無断欠勤の事例を探すと、割と簡単に見つかる。2013年8月22日付の産経新聞に、こんな記事が掲載された。東京・世田谷の集合住宅で両手足を縛られた状態で見つかった20代女性。実は「会社に行きたくなくて、無断欠勤の言い訳としてやった」と警察に「白状」したのだという。強盗に入られたふりをした「自作自演」だったわけだ。

   佐賀県は9月6日、無断欠勤した50代の職員に減給4か月の処分を下した。9月7日付の西日本新聞によると、この職員は7月に2日間無断で休んだが、その理由は、日曜に北九州市で深酒して財布と電車の切符を紛失し、徒歩で自宅のある佐賀に帰ろうとしたためだという。欠勤2日目の火曜日に、福岡県古賀市の交番から職場に連絡したそうだ。本人の言い分が本当だとしても、月曜朝に交番に駆け込むという考えは頭に浮かばなかったのだろうか。

「不当解雇だ」の主張に「なぜ11時に連絡?」

   インターネット掲示板には、無断欠勤の「告白」も続々と出てきた。「得意先とのコンペの日に理由もなく面倒になって漫画喫茶へ直行した」、「いつもと反対側の電車に乗って、海を見に行った」「ベッドのなかでグダグダ、そのまま2度寝」――。いずれもその後、会社からひっきりなしに携帯に電話がかかってきたそうだ。上司にお灸をすえられておしまいなら笑い話で終わるが、「会社の人間関係がつらい」「そのまま会社に残るわけにもいかず、退職届を出した」と深刻な結末もあった。

   無断欠勤を理由に解雇されたという書き込みもみられた。例えば「Yahoo!知恵袋」には、就業時間までに連絡ができず、朝11時ごろに知らせたが会社側に「無断欠勤だ」と判断されたそうだ。遅すぎたというわけか。この人物、これが2度目のため「イエローカード2枚」と見なされ、「即日解雇された」と不満をこぼす。就業規則には「連続無断欠勤15日以上は解雇処分に処す」とあるが、これには該当しないため「不当解雇ではないか」との主張だ。

   これに対する回答は「無断欠勤、遅刻は相当まずいでしょ」「なぜ欠勤の連絡が11時ごろになってしまったのでしょうか」と、本人の行動そのものを問題視する内容が多い。しかも最初の無断欠勤から4~5か月後にまたも、という点も「同情の余地なし」の声が多かった。