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初対面で好印象与える会話に「秘策」あり 話題のネタはこんなところに転がっている

   ビジネスの世界では頻繁に「初めての出会い」がある。新入社員なら毎日が「初対面」の連続、また人事異動や転勤となった人は、前任者を引き継いで得意先を回って「初めまして」と名刺交換することになるだろう。

   なかには口下手、照れ屋で「何を話せばいいのか」と迷う人がいるかもしれない。好感度アップ間違いなしの秘策を、専門家に聞いた。

電車の吊り広告は会話の重要なネタ元

初対面。何を話せばいいのか…
初対面。何を話せばいいのか…

   こんなケースを想像してほしい。異動した部署で、得意先に挨拶に出向いた。応対に出た相手は当然初対面。その上司も来るそうだが、会議が長引いていてなかなか顔を出さない。ひととおり自己紹介を済ませてふたりきりで待っている間、あなたはどう過ごすだろうか。

   帰宅中の電車で偶然、取引先の社員と顔を合わせた。聞けばお互いの自宅が近所だと分かった。だがこれまで1、2度会っただけで仕事上ほとんど会話したことがない相手。「あと30分は車内で一緒だな、何を話せばいいんだろう……」。 黙りこくっていては気まずいし、何より大事な顧客に対して無愛想では評判を落とすかもしれない。

   ハウツー本をめくれば、「初対面で相手に好印象を与えよう」と題して、あれこれ対処法が書かれている。「自分から話しかけよう」「自分をオープンに」「相手の目を見て話す」。確かにその通りだが、あまり会話好きでない人にとっては、もっと具体的なテクニックが知りたいだろう。「どんな話題なら会話が弾むのか」「自分のことをどこまでひけらかしていいものか」などだ。

   コーチングやマナー研修を行う「ラプラス」社長の長尾円氏に「秘策」を聞いた。まず前段階の心構えとして「緊張するタイプの人は、その緊張が相手にも伝わるので構えすぎないで臨んでください」とアドバイス。交流の浅い相手は基本的に「当たり障りのない話題」が無難だが、その「ネタ探し」は、お互いの目に入ったり感じたりできるところから選ぶのがコツだという。挨拶で「今日は寒いですね」といった天気が語られるのが好例だ。天気なら、会話している同士が共有できるので話が続きやすいと説明する。

   ちょっとした工夫で、こうしたネタは拾える。周りを見て犬を連れている人を見かけたら「あの犬かわいいですね」「そういえば最近ペットブームですよね」と広げていく。電車内なら吊り広告が重要なネタ元だ。「この本ベストセラーらしいですね。読みましたか」「行列ができるラーメン屋か…ラーメンよく食べます?」などと聞いてみる。ポイントは、ネガティブな表現を使わないことだと長尾氏。何かをばかにしたり、否定したりすると相手が不快に思う恐れがある。

愛想のない男性上司も、孫の話にはデレデレ顔

「人は自分が好きな事柄、得意な分野については放っておいても長々としゃべります。そこで、相手の持ち物などを褒めてみるとよいかもしれません」

と長尾氏は提案する。

   例えば相手が女性で、おしゃれに気を使っている様子ならこう切り出してはどうだろうか。「お持ちのカバン、素敵な色ですね」「アクセサリー、お好きなんですか」「コートが雰囲気に合っていますね」。見え透いたお世辞や、あまり突っ込んだ質問は禁物だが、こうして褒められればイヤな気はしないだろう。持ち物にかかわる思い出やエピソードを、あれこれ披露してくれるかもしれない。「いつもはブスっとしている男性上司が、孫の話になった途端デレデレ顔で話し始めた、とも耳にします。相手に『自慢の子、孫』がいると知っていたら、話題にするものいいでしょう」。

   一方、「自分語り」は確かに、相手に対してオープンな印象を与える意味で有効だ。自分の出身地や通っていた学校、職歴などを話すのは効果的だと長尾氏は言う。共通の出身地や出身校ならそれだけで話が広がるし、職歴も「この人はどんな仕事をしてきたんだろう、と興味がもてると思います」。結婚か独身か、子どもがいるかいないかは、自分が話すのは差支えないが、こうしたプライベートにかかわる内容を相手に質問するのは避けた方がよい。

   テクニックをつかんだら、あとは「相手に話しかける勇気」だけだ。ここで最後のワンポイントアドバイス。「モジモジしている人は声が小さくて何を言っているか分かりにくいことが多い。ハッキリと相手が聞き取れる口調を心掛けてください」(長尾氏)。