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社員の「うつ」は血液検査でわかる? 開発すすむ

   うつ病の診断はむずかしい。それを血液中の「エタノールアミンリン酸(EAP)」の数値で判断する方法があるという。2014年4月13日付の日本経済新聞電子版によると、一般的に医師は、「DSM‐4」と呼ばれる国際的な診断基準に照らして問診を行い、うつ病を診断する。

   しかし、患者が常に正確な状態を医師に伝えるとは限らず、客観的なデータがない。医師の診断能力に依存し、時に臓器に異常が認められる器質的な疾患は見逃されがち。そこで、血液中の「エタノールアミンリン酸(EAP)」の数値をみて判断する。

   川村総合診療院の川村則行院長はEAPについて、東証マザーズ上場の慶応大発ベンチャーの、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(HMT)と共同で開発を進める。通常なら「うつ病で要投薬」と診断されたであろう患者について、EAP値により「うつ病」ではないと判断したケースもあったという。

   うつ病は全国で約100万人の患者がいて、職場でも大きな課題となっているが、いまでも精神科の受診に拒否反応を示す人はいる。血液検査でうつ病の可能性が分かるようになれば、内科医でも早期に診断でき、精神科を紹介できるほか、患者自身も自分の状況を正確に把握できるようになるという。