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「元・女子大生キャバ嬢」が入社後に受ける試練とは

   先日書いた、「元・女子大生キャバ嬢が『面接』『会社』で強いワケ」という記事には、たくさんの反響がありました。「おじさん慣れしているキャバ嬢って、最強だな」といったものから、「単にルックスが良いだけでは」「図々しい奴らだ」といった、キャバクラという仕事への「多少の誤解」が含まれているものもありました。

   今回はその誤解を解いた上で、会社に入ってから、元女子大生キャバ嬢が周囲から「どのような反応を受けるのか」ということを、掘り下げてみたいと思います。

キャバ嬢は大きく分けて2種類

内緒の話だけど…
内緒の話だけど…

   キャバ嬢には、2種類います。「将来は母親のスナックを継ぎたい」という、生粋の「お水タイプ」に加え、ここ十数年で増えてきたのが、「大学生として普通に就活もする」ような子たち。後者のタイプは、キャバクラでコミュニケーション力や忍耐力、顧客目線で考えることの重要性を学び、面接や仕事でも力を発揮するケースが目立つのです。ツイッターでは「そりゃ、キャバ嬢は顔がいいからだろ」という意見も見られましたが、キャバクラ嬢として成績を上げるにあたって、「顔」はそれほど関係ありません。「明らかに美人」というわけではない女の子が、たくさん「ランキング入り」しています。

   キャバクラでは、もともとの容姿よりも、「いかにお客さんのニーズをくみ取り、客に合わせたコミュニケーションができるか」が勝負なのです。私がインタビューした中でも、「顔では勝てないけど、コミュニケーション力を磨いたからナンバー入りできた」と語る子は多かったもの。キャバクラのお客さんは、「美人をただ鑑賞したい」と来店するわけではなく、「おしゃべり」をしに来るのです。容姿は一要素でしかなく、とにかく笑顔で楽しませてくれる「会話上手」なキャバ嬢が選ばれるのでした。

「ごく親しい人」たちから噂が広まる

   そんな「元・女子大生キャバ嬢」が会社に入ったら、どうなるか。もちろん、本人はキャバクラで様々な人間関係を見てきており、「口は災いの元」ということを知っていますから、バイト歴をおおっぴらにすることはありません。が、ごく親しい同期や先輩などには、元キャバ嬢であることを打ち明けることもある。その後、営業などで華々しい成績を上げたりすると、その「ごく親しい人」たちから噂が広まり、「あの子、元キャバ嬢だったらしいよ」となるわけです。事実を知った社員たちは、「あ~、やっぱりそうだよね」という感じ。時には、「学生時代は派手に遊んでいたらしい」とか「男に貢がせていたそうだ」などと、噂に尾ひれがついて広まることもありますが、さすがに水商売への偏見から「枕営業してるんだろ!」などと陰口を言う人はいないようです。そんなことを言えば、悪口を言った本人が品位を落とすことになります。

   ただ、彼女の直属の上司は、「パフォーマンスさえ上げてくれれば良い」と考えているので、正直言って部下が元・キャバ嬢だったどうかは、それほど問題にしません。むしろ前向きに捉えることすらあるようです。そんな上司たちよりも、元キャバ嬢に厳しいのは、同僚の女性社員(と、一部の男性社員)。水商売の世界を「自分とは関係のない、別世界」と考えている男女は、「キャバ嬢をやっていた」というだけで否定的に捉えてしまうのでしょう。キャバクラ嬢という仕事は、数ある「サービス業」の1つに過ぎません。多くのキャバ嬢を見てきた私はそう思います。が、なかなか偏見は消えないのが現状です。(北条かや)