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会社のメール確認「1日10回以上」の人は要注意 忍び寄るストレス、生産性低下…

   日々の仕事に欠かせないビジネスメール。頻繁にメールを確認し、素早い返信を心がけている人もいるだろう。一方、定期的なメールチェックで仕事が中断されるどころか、ストレスのレベルまで上昇する、との調査結果もある。押し寄せるメールの波に呑まれず、上手に時間を使うにはどうすればいいのか?

メールチェック「1日10回以上」が最多、42%超

メール、チェックしないと…
メール、チェックしないと…

   メールチェックの頻度は、どのくらいが「普通」なのか。一般社団法人日本ビジネスメール協会(東京)が、仕事でメールを使う男女1422人に聞いたところ、メールの確認頻度は「1日に10回以上」(42.33%)が最も多かった。次いで「1日に4~9回」(33.83%)、「1日に2~3回」(18.57%)となっている。4割の人は、1時間に1回以上、メールボックスを開いているようだ(2014年8月4日公表、方法はWebアンケート)。

   一方で、メールの返信が遅れてしまうことが「よくある」(8.58%)、「たまにある」(64.14%)と答えた人は7割に達した。多くの人は、頻繁にメールをチェックしながら、しばしば返信を先延ばしにしてしまっているのかもしれない。その理由は、「すぐに結論が出せないから」(69.25%)が最多。「返事は後で考えよう。でも、早く返さなければ」という状態は、大なり小なりストレスの元になるだろう。

   ニュースサイト「AFPBB News」が報じたカリフォルニア大学などの研究(2012年5月13日配信)によると、仕事中にメールを定期的に「確認しない」人は、「確認する」人と比べてストレスレベルが低かったそうだ。また、メールを見ないだけで生産性や集中力がアップする上、仕事中にストレスを感じた時には「メールソフトを終了するだけで気分が落ち着く」というから驚きだ。

   メールソフトを閉じるだけでリラックス効果があるとすれば、ぜひ取り入れたい。が、「重要な事案に気づいていないのでは」と、新たな不安の種も生まれそうだ。一体、どのタイミングでメールチェックするのが良いのか。

「メールの返信は朝一番」ではもったいない?

   「出社したらまずメールを確認、返信する」という人は多いが、このやり方は「脳」の観点から、お勧めできないらしい。NTT東日本のサイトの「朝礼ネタ帳」(2013年12月2日配信)によると、朝は、脳がもっとも活性化している時間帯。発想力も高まるため、新しい企画や、進行中の案件について深く考えるのに向いているそうだ。この時間帯を、メールの処理だけで終わらせるのはもったいない。朝のメール返信は重要なものだけにして、その他のメールは、やや「だらけがち」になる15時以降にまとめて処理するのが良いという。

   メールに追われるのではなく、メールを主体的にコントロールすることで、仕事の能率はアップする。「ライフハッカー日本版」では、どっぷりと仕事に没頭する「フロー状態」を作り出すため、重要な業務の目処がつくまで「メールチェックをしないこと」を説く(2014年8月17日配信)。

   意識的に周りの情報を遮断すれば、集中力はおのずと高まる。それでメールの返信が少しくらい遅れても、多くの場合、あまり問題はないだろう。業種や職種によって事情は異なるとはいえ、「メール返信に追われてしまう」という人は、意識して「仕事に没頭する時間」を作り出してみてはどうか。ストレスが減り、仕事の能率も上がるかもしれない。(KH)