J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

男性は「ベビーカーを押す女性」を自主的に助けるべきか?

   ベビーカーは小さい子供連れで出かける時に大変便利で重宝されているが、電車内など混んだ場所での利用の是非など、度々問題にされがちだ。

   そんな中、また新たに注目が集まった。「男はベビーカーを押す女性を助けるべきなのか?」というコラムに意見が殺到し、炎上状態になっているのだ。

「ベビーカーは親のための便利な道具に過ぎない」?

自分からは声をかけづらい?
自分からは声をかけづらい?

   話題になっているのは、「プレジデントオンライン」で2014年10月6日に公開された2つの記事「男がベビーカー女子を助けない2つの理由」「日本男子は、なぜベビーカー女子を助けないのか」というものだ。

   あるワーキングマザーが「駅構内でベビーカーを運んでいると、助けてくれるのは女性か外国人ばかり」などと話していたとして、プレジデントオンライン編集部が男女それぞれのライターに「指令」を出した。テーマは「彼らはなぜ、困っている女性に手を差し伸べないのでしょうか」だ。

   前者はジャーナリストの佐藤留美さんの記事で、「ヨーロッパ人は幼少期から『男性より握力や体力が弱い女性を助けるのは当たり前』という教育を受けてきているが、日本の男性はそうではないから」「長時間労働による忙しさのために周囲の困った人に手を差し伸べる余裕がないから」というのを理由にあげている。ただ、女性の方から「ちょっと助けてもらえませんか」と言えば優しい日本人は助けるから、手伝ってほしかったら声をかけたほうがいい、ともしている。

   後者はフリーライターの大宮冬洋さんが執筆した。「自分は駅構内でベビーカーなど重そうな荷物を持っている女性には声をかける」とした上で、「ベビーカーは親のために開発された『便利な道具』に過ぎず、混雑している場所に持ち込むのははっきり言って迷惑。ベビーカーで得をしているのは親だけ」などと主張している。感じ良くお手伝いをするが、内心では「勘弁してくれよ。おぶってあげればいいのに。電車内では席を譲るからさ」と嘆いている、といい、「ベビーカーは必需品とは言えない。だから、運搬を手助けしない日本男子を責めることはできない。この意見、どこか間違っているでしょうか?」と締めている。

通報されるリスクを恐れる日本男性

   大宮さんは自分でも「叱られそうな主張」と書いているが、その通りネット上では批判が噴出した。

「何こいつ。いちいちイラッと来る文章。こんな奴の助けはいらんわ」
「ひっさびさに腹の立つ記事を読んだ。こいつは本当に何も分かってない最低だ」
「必需品じゃない物なんて言い出すなら、スマホもPCも電車も車も使わずに仕事してみろ。おんぶして畑仕事してた時代とは現代人の行動範囲も内容も全然違うんだよ。道具や手段も変わって当たり前」

   一方、「男性がベビーカーを押している女性を助けない理由」について、男性側からはこんな意見も多い。

「手を貸そうとすると置き引きやら痴漢やらストーカーと勘違いされて通報されるリスクがある」
「『女性+幼児』...駅とかでこの組み合わせに声がけして不審者扱いされたんじゃたまったもんじゃない...ということに尽きるのではないでしょうかね」
「困ってそうに見えても下手に知らない人に声かけたら『事案』にされかねないからね。空気は読まない。助けを求められたらはじめて手を差し伸べる」

   痴漢冤罪などが社会問題となっている今、男性としては女性や子供に声をかけることへの恐怖心があるようで、「助けろって言われても...」というのが本音のようだ。

   「ベビーカーを押す女性を助ける議論」には様々な意見があるが、大宮さんの記事の最後にはプレジデントオンライン編集部からのこんなコメントが記載されている。

「現在、掲載中の『日本男子は、なぜベビーカー女子を助けないのか』では、ご意見、ご批判を頂戴しました。記事の中に読者を不愉快に感じさせる表現が含まれていたことをお詫び申し上げます」

   表現の是非はともかく、議論自体は今後も掘り下げていってほしい。(MM)