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女性は昇給を進んで求めるべきではない、に賛成?反対? 米MS・CEO失言の余波続く

   米マイクロソフト(MS)社の、サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)による「女性の昇給」に関する発言が、日本でも波紋を広げている。発言は、「女性の活躍を評価する」ことについて後ろ向きだと受け止められ、ナデラ氏は謝罪に追い込まれた。

   ネットの国内反応をみると、ナデラ氏への批判がある一方、氏の意図を汲み取ろうとする、比較的肯定的な意見も見受けられる。さらには、「アメリカのグローバル企業の経営者ですらこの状態なら、日本はもっとダメだろうだなぁ」といった、諦め半分の意見も目立つ。

経営者が漏らした「本音」?

お給料が上がらないわ・・・
お給料が上がらないわ・・・

   サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は、2014年10月9日、IT業界で働く女性向けのイベントで、「昇給の要求をためらう女性に助言を」と問われ、「昇給を求めるのではなく、システムが適正に昇給させることを信じることだ」、昇給を求めない女性には「良いカルマ(報い)」が返ってくるなどと発言。女性の昇給要求に水を差すかのような内容に、批判が続出した。ナデラ氏はほどなく、社員向けのメールで、発言が「誤りだった」と認め、謝罪している。

   これを受け、ツイッターでは、様々な意見が飛び交った。ナデラ氏への批判としては、「今まさに、企業が『正しい昇給』を与えてないよね、という指摘があるわけで、極めて不用意なことを言った感じ」、「マイクロソフトは『ダイバーシティ』を掲げて、平等が行き届いてるから、女性だけが性別を理由に昇給しないなんて、理解できないんじゃないかな(棒読み)」など、皮肉も含め、「昇給を求めたくても、なかなか求められない女性たち」の現状を経営者として理解していない、との意見が多い。

   また、「これは性別の問題ではなく、人件費を下げたいという経営者の思惑があるだけのような気がします」と、男女差別というよりは、人件費をめぐる「経営者の本音」があらわになっただけだと言う人もいる。

「アメリカですらこうなのだから...」と諦め半分の声も

   一方、ナデラ氏を擁護する意見も中にはある。同氏の、「昇給を求めるのではなく、システムが適正に昇給させることを信じることだ」という発言については、「ちゃんと仕事すれば、給料上がるよ、と言っているだけでは?」とか、「昇給ばっかり追いかけて、仕事を疎かにして欲しくないってことだろ」と、理解を示す意見も目立つ。「(ナデラ氏の発言の)内容は、ごくまともだったのにな。ものの言い方で、炎上はすぐ、どこでもあるのね」と、表現ひとつで、ここまで問題が広がることに、疑問を呈する向きもあった。

   しかしながら、多くの女性(とみられるツイッターアカウント)からは、不安と失望の声が上がっている。「マイクロソフトでも、女性の昇進に反対なんだね。失望したね」「アメリカですらこうなのだから、日本がダメなのもうなづける」と、諦めと失望が入り混じったつぶやきも見られる。会社員だという女性アカウントからは、「米国も割と、男尊女卑だよね。小さな島国の地方の零細企業なんて......」と、諦め半分のツイートもあった。(KH)