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低学歴は「不幸せ」か 会社員の「実感値」とは

   先日のノーベル物理学賞受賞のニュースでは、赤崎勇・名誉教授と天野浩・教授が在籍した名古屋大学に注目が集まった。また、徳島大学出身の中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授の受賞は、「地方の大学に勇気を与える」と話題になった。

   研究者はともかく、ビジネスパーソンにとって「学歴」は、どのくらい影響があるものなのか。「学歴コンプレックス」を引きずる人もいれば、まったく関係ない、と言い切る人もいる。果たして、関係はあるのか?ないのか?

6割が「学歴は関係ない」

学歴なんて・・・
学歴なんて・・・

   マイナビニュースが、会員500人に対し、「学歴と仕事は関係あると思いますか?」と聞いたところ、「はい」が 37.8%、「いいえ」が62.2%だった(2013年8月14日公表)。6割の人は、仕事に学歴は関係ないと考えている。が、4割近くが「関係ある」と答えているのは、決して見逃せない数字だ。

   プレジデントオンラインの記事、そのものズバリ「出身大学は人生にどれほど影響するか」(2014年10月15日)では、1970~2010年代の各年代に就職した、働く男女1000人にアンケート調査を実施した。その結果、「就職活動」では、学歴が「影響する」(「かなり影響する」+「多少は影響する」)が95%近くにも上った。「転職活動」や「年収」「昇進・昇給」でも、6~7割近い人が「学歴が影響する」と答えている。「結婚」に至っても、「影響する」との回答は6割強と根強い。

   一方で、「私生活の満足度、幸せ度」への影響は、「ほぼ・まったくない」が57%と過半数を占め、「人生全体の満足度~」でも、半数近くが「ほぼ・まったくない」と答えていることも無視できない点だ。

   ツイッターでは記事について、「学歴社会が終わったとか百歩譲っても言えない」と悲観する声もあれば、「影響したなんて自覚したことがない。別にコンプレックスもないけど」と、強く反発する人もいた。「学歴」は、人々をある程度、刺激するテーマなのかもしれない。

入試の出来だけでは測れない「能力」も

   冒頭の調査では、「仕事と学歴は関係ない」という人が6割に上った。この結果を受け、リクルート出身で、起業・集客コンサルタントの鳥井謙吾氏は、「学歴と仕事は全く関係がない」と主張する(All About News Dig「高学歴、低学歴...仕事に学歴って関係あるのか?」2013年8月29日)。

   同コラムによれば、仕事で必要なのは、「問題を自ら発見して、その解決のために自分を変革する能力」。この能力と、学歴は全く関係がなく、「むしろ邪魔」だそうだ。日本の学歴は、単に「大学入試の点数がどれだけ良かったか」を示すだけであり、仕事で解決すべき問題点は、そうした画一的な視点では発見できないという。

   先日、週刊ダイヤモンド(2014年10月18日号)の特集、「ビジネスマンが本音で評価 『使える』『使えない』大学」が、ネットでも注目を集めた。「大学名だけで分析するのはナンセンス、結局は個人の能力の問題だ」と考える人たちが一定数いるようで、批判の声も少なくなかった。

   ツイッターでは、結局、「あの大学に行ったおかげで出会えた人がいる。あの大学に行かなかったせいで出会えなかった人がいる。つまるところ、それだけだと思う」との意見もみられた。論争は、まだまだ続きそうだ。(KH)