J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

「似たような仕事」なのに給料格差が3倍! なぜ?なぜなの?

   同じ分野で仕事をしていても、「給料格差」が3倍近くになることもある――。そんな衝撃の事実が、宝島社の『日本人の給料大辞典』で明らかになった。仕事内容はさほど変わらないのに、会社の系列や、扱う商品が違うだけで、年収が数倍違ってくることもあるという。あなたの年収は、同業者と比べて「勝ち組」か、「負け組」か?

医薬品メーカーの営業と、不動産営業の「格差」

そんなに給料、違うのか・・・
そんなに給料、違うのか・・・

   『日本人の給料大辞典』では、「公務員」や「営業職」「販売職」など、203の職種を紹介し、職種内でどれくらい「格差」があるかをまとめている。たとえば、同じ「ホテル従業員」でも、某老舗系ホテルの年収は314万円だが、別の鉄道系ホテルでは、なんと814万円。系列が違うだけで、給与の「格差」は2.9倍にのぼる。

   中でも「格差」が大きいのは、営業職だ。多くの企業に「営業職」は存在するが、取り扱う商品によって、年収差は歴然としている。最も高いのは、医薬情報担当者の「MR」。平均年収は683万円だ。一方、順位が下の「建設・不動産系」や「小売・外食系」の営業は、平均年収404万円。売るモノやサービスによって、ここまで差が開くのだ。

   「勝ち組」営業のMRは、医薬品に関する、高度な専門知識が求められる。医師に、自社の医薬品を使ってもらえるよう、分かりやすく説明するスキルはもちろん、場合によっては「MR認定試験」の受験も必要だ。「誰でもできる仕事ではない」ことが、高給の理由になっている。

   ちなみに同書がまとめた「営業職の人気企業」には、ソニーやトヨタ自動車、パナソニックなどと並んで、「武田薬品工業」も入っている。

「同業他社の給与水準」が気になる人たち

   自身の年収を、つい「同業他社と比べてしまう」人は、少なくない。ツイッターでは、「渡された給料明細を見て、今月も軽くため息。いや、他の同業者と比べてもまあまあ悪くはないと思うけど」「給料日って毎回鬱になるけど、同業と比べたら2万くらい高いし、圧倒的に仕事少ないから、見合ってるといえば見合ってる」と、何とか自分を納得させようとする人が目立つ。

   一方で、「ワシのお給料、同業他社より2万ほど低いからな。来年度、引かれる税金増えるから、また手取り下がるんだよね・・・バイト、マジで探さないとなぁ」と、嘆く人もいる。同じような仕事をしているからこそ、小さな「格差」でも、不公平さを感じやすいのだろう。

   『日本人の給料大辞典』によると、「コンピュータ関連職」では、ITコンサルタントの平均年収が643万円なのに対し、ヘルプデスクのオペレータは433万円。「格差」は1.5倍だ。また「教育関係職」では、高等学校教員の678万円に対し、予備校講師は361万円で、格差は1.9倍と大きい。「未経験者でもできる」仕事は、給料が低くなり、「高度な専門スキル」が求められる仕事と比べて、格差が開く傾向にあるようだ。が、どんな仕事でも、それなりの大変さや苦労はある。「こんなに頑張っているのに・・・」と、釈然としない思いを抱く人も、いるかもしれない。(KH)