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「マイスター制度」で手当て60万円も 鹿島、「職人不足」に対応

   鹿島は、建設現場で働く有能な労働者を対象に手当を積み増す「マイスター制度」を新設する。2015年1月5日付の産経新聞が報じた。これまで年10万円を上限とする報奨金制度はあったが、マイスターに支給される手当は従来の5倍以上の年50万~60万円に大幅に増やす。労働者の待遇改善に加えて、優秀な職人を囲い込む狙いもある。

   鹿島はすでに下請け業者(協力会社)の技能労働者を育成し、定着を促す目的で、「E賞(優秀技術・技能者報奨金)」と呼ばれる報奨金制度を設けている。鹿島が発注する工事に貢献した現場の基幹労働者の中で優秀と認めた人に対して年間10万円を上限に報奨金を支給してきた。これをグレードアップさせ、優秀な基幹労働者らに職能手当を支給する「マイスター制度」を新たに導入する。

   建設業界では「職人不足」が深刻化するなか、日本建設業連合会が旗振り役となって、ゼネコン各社がそれぞれ独自の「マイスター制度」を導入している。2020年の東京五輪にあわせた建設ラッシュで一段の労働力不足が予想されることから、制度を充実して待遇改善を図ることで優秀な人材を確保したい考え。