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就活に学歴なんて関係ない 「こんなの嘘ですよね?!」

   2016年卒業予定の学生の就職活動が15年3月1日に解禁された。活動を進めるにあたり、「学歴フィルター」の存在を気にする学生もいるようだ。

   しかし、企業も「学歴不問」をうたい、就活経験者の中には「学歴なんて関係なかったよ!」と言う人も少なくない。それでも、これから就活にのぞむ若者からは「(「学歴関係なし」は)本当なの・・・?」と、不安の声が上がっている。

「間接的には学歴があると就職は有利だ」

やっぱり学歴は重要?
やっぱり学歴は重要?

   Q&Aサイト「Yahoo!知恵袋」に、高校生からの悩み相談が投稿されている(15年2月28日)。

   相談者は現在高校3年生。すでに決まっている大学に入学するか、浪人して「MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)」を目指すか迷っている。親からは「もう1年あがいてほしい」と言われているという。

   迷っている理由のひとつに「就活」があるようだ。「『就活してみるとわかるけど、学歴なんて関係ないよ』と言われたのですが、こんなの絶対嘘ですよね?!!」と、回答者に疑問を投げかけている。

   回答欄には、

「なんだかんだで学歴です。一般に名の知れた企業に就職するには、MARCH以上が必要です」
「就活に学歴は関係ありますよ。その大学に入るための努力をしてきた事の証明になりますし、勉強やスポーツを頑張ってこられた方は、概ね仕事も頑張るだろうと評価されると思います」
「嘘ではないが、学歴は能力や真面目さを証明する重要な証拠。よって学歴は直接は関係ないが、間接的には学歴があると就職は有利だ 良い大学はそれなりの価値があるのは確か」

と、やはり学歴の重要性を説く意見が多い。

上位22大学に行かなければ・・・

   オンラインビジネスメディア「INSIGHT NOW!」には、大阪芸術大学芸術学部教授の純丘曜彰氏による、「身の程知らずの就活はムダ」というタイトルの記事が掲載されている(15年1月6日、配信)。

「一般に、東大京大ほか旧7帝大と東工・筑波・一橋、早慶までの12大学のみが、企業側が採りたいターゲット校だ。これらの大学の卒業生が優秀だから、というより、これらの大学の卒業生を実績として採っておかないと、次年度以降の採用計画で広く優秀な人材が集まらなくなり、人事部として責任を問われることになる。だから、採る」

とした上で、日本の有名企業約2000社にとっての採用審査対象は、この12大学と「G(学習院)MARCH」「関関同立」を加えた22大学まで。「よほどウリがなければ、エントリーシートの段階で早々に『お祈り』する」と指摘している。

   ただ、純丘氏の主張は「有名企業に入るために22大学に行っておけ」ということではなく、

「このろくでもない社会の本音、欺瞞、狡猾さを学び、その泥沼の中で生き抜いていくメンタルな強靱さを身につけることの方が先決じゃないのか。そして、そのメンタルな強靱ささえあれば、べつに有名企業の就職にこだわることもないんじゃないのか」

という、就活で苦しむ若者たちへのエールのようだ。(MM)