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「ずっとヒラでいい」と「やる気が無い」 両者はイコールなのか、違うのか

   最近の新社会人は出世欲がない傾向にある――就活準備の学生応援サイト「就活スタイル」が以前に実施した「若者の出世願望調査」(2015年3月4日公表)でも、内定を得ている20代の学生に将来どの役職まで出世したいかと質問したところ、「役職にはつきたくない」と回答した人が最多だった。こうした結果に対し、「今時の学生・新人は・・・」との嘆き節もネット上で寄せられた。

   ところが、今や出世欲がないのは新人だけではないらしい。30歳の中堅ビジネスパーソンの2割が「ずっと平社員がいい」と考えているという調査結果が出た。

「仕事量と給料が割に合わない」のがネック

ずっと平社員がいい・・・
ずっと平社員がいい・・・

   ビジネスマンの出世欲について調査したのは、ビジネスマン向けサイト「R25」だ(15年9月19日公表)。

   30歳の男性会社員200人に「叶うことならどこまで出世したい?」とたずねたところ、「組織に属さないフリーランス」が22.5%で最多。組織に属すという前提の中では、「平社員(組織での出世は望まない)」が19.5%で最多だった。

   役職で人気なのは「役員クラス」(18.5%)、「部長クラス」(13.5%)、「財界の実力者クラス」(10.5%)だった。

この結果を受けて、ツイッターでは

「これはねえ・・・気持ちは分からんでもない。ある程度、上までいければ楽出来るけど、中間管理職がやってられんのだわ。体壊すか精神壊すか・・・」
「昇進したら仕事量と給料が割に合わないのわかりきってるからでしょ。給料、大して増えもしないくせに仕事量はアホみたいに増えるわけだし」
「身動きがラクにできて小回りが利くヒラのほうが、仕事をやっていて楽しい。ヒラで良いという考えとやる気が無いというのはイコールに考えて欲しくない」

など、同じく「ずっと平社員がいい」という人が、様々な理由を挙げている。

「あいつはデキない」と後輩女性に耳打ちされ・・・

   一方で、

「自分は言いたい事は我慢しないで遠慮なく言いたいタイプなので、性格的にヒラは無理」
「役職手当が付かないと子供を養うのにはキツイと思うよ。一生独身なら別だが」
「仮にヒラでいるとして、将来自分の半分ちょいしか生きてない上司に指示されたり、教えられたりするのに耐えられるのかね。そっちのメンタルが心配」

と、こちらも様々な理由で「やっぱり出世は必要」という声が上がっている。

   ニュースサイト「日刊SPA!」では、出世せずに40代に突入したビジネスパーソンの苦悩が紹介されている(15年7月28日)。

   「教育方針の食い違いで上司とモメて目をつけられて以来、すっかり出世枠から外されました」という、教育塾運営会社の現場社員の男性(43)は、同期にナメられ、後輩の女性に「あいつはデキない男だから」と聞こえるように耳打ちされているとか。家族や親戚からも「その程度の人間」と扱われてしまっているという。

   出世すればしたで、また、平社員のままなら平社員で、相応の苦労がありそうだ。

(MM)