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「いいかげん仕事くれ」 新入社員が涙する「お客さん扱い」地獄

   この時期の新入社員は多かれ少なかれ、良かれ悪しかれ「思っていたのと違う」という印象を抱いているものだろう。会社説明会などで聞かされていたよりも拘束時間が長い、休憩が短い、残業が多いなど、「予想していたよりハードすぎる」現実に面食らっているフレッシュマンも多いに違いない。

   一方、現実には「仕事が暇すぎて辛い」という悩みを口に出せず悶々としている新入社員もけっして少なくないようなのだ。いきなり仕事に追いまくられている新人にはうらやましく聞こえるかもしれない、彼らの訴えに耳を傾けると・・・。

「事故起こしたら、どうすんの」

こんなはずでは・・・
こんなはずでは・・・

   掲示板サイト「2ch.sc」には、「悲報」として「始業開始から4時間座ったまま」という新入社員のスレッドが立てられた(2016年4月18日)。

   3か月の試用期間中というが、なんでも、課長から「しばらく職場に慣れてもらうためによくまわりを観察してね!先輩諸君は電話とかコピーとかやらせないように!」とのお達しが出ているそうだ。

   先輩からも「みんな通る道だから」「適当にやって、飯食って3時になったらおやつ食って定時で帰れ」と寛大な言葉を頂戴。自分から進んで声をかければ「何かあればこっちから声かけるよ」「座ってて」と言われ、いつまでたってもお客さん扱いなのだとか。

   ある先輩が気を利かせて取引先に一緒に連れて行こうとすると、課長から「ダメ、今試用期間中なの、もし事故とか起こしたら親御さんにどう説明するの?」と、かたくなに止められてしまったのだという。

   まだパソコンも支給されておらず、ときたま、なんのことやら理解できない電話の内容をメモする作業ぐらいで、

「時間経つのがマジで遅い もう1時間は経ったろって思って時計みるとまだ15分とか」

と、悲鳴をあげている。

   職場自体は年度始めでかなり忙しいそうなので、他のユーザーからは「教えるための時間と人手が無いんだと思う」とのコメントも。また、今のうちに社員の名前を覚える、電話対応を勉強しておく、仕事ができる上司の仕事ぶりや行動をまねするべし、などのアドバイスも書き込まれた。

ツイッターにも哀訴相次ぐ

   「入社したはいいが、仕事がない」という状態はレアケースではないらしい。

   ツイッターを見ても、

「先輩や上司が忙しいようで新入社員への指導まで手が回らないらしく、ずっと放置されてるからクッソ暇なんだよな」
「仕事がなさすぎて暇すぎて、ぼーっとすることしかできなくて、絶対新人何遊んでんだよって思われてる。つらい。仕事ください」
「仕事ね、暇なんだ。それかなり辛い、新人だもの。棒立ちよくないから、仕事ありますかって聞いても、無いよ。って。なんやねん、休ませろ」

などなど、新入社員からの「暇」に対する哀訴が散見される。

   「ダイヤモンド・オンライン」には、社員数30人規模の広告代理店に新卒で入社し、以後2年近くろくに仕事を与えられず放ったらかしにされた男性の体験談を紹介した記事(2015年9月8日掲載)が掲載されている。

   その中で、筆者のジャーナリスト吉田典史氏は、新入社員が仕事のない状態に置かれることについて、中小・ベンチャー企業は新卒採用より中途採用に重きをおいてきたため新入社員の定着や育成のノウハウがまるでない、それが放置の原因と指摘する。

   さらに、いつまでも社員教育の制度が整わないのであれば、「タイミングを見計らい、きちんとした会社に移るべきなのではないだろうか」と、人材育成のシステムが整った会社へのシフトを勧めている。(MM)