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誤クリックにも広告効果ありや? 「意図して」と同率の結果どう読む

   スマートフォンの普及を背景に市場が拡大しているインターネット広告をめぐるアンケート調査がこのほど実施され、画面に表示される広告について、自らの意思でクリックした人の割合と、誤ってクリックした人の割合は「ほぼ同じ」という結果が出た。ウェブ調査会社のマイボイスコムが2016年5月30日に発表した。

一定の効果は......

その指じゃ、誤クリックするかも
その指じゃ、誤クリックするかも

   調査は、同社が5月1日から5日までネット上で実施、1万1474人の男女から回答を得た。ネット広告に掲載された画像・動画やリンクについて、ここ1年間で「意図的にクリックした」経験があると答えた人は全体の25.8%。一方で、「間違ってクリックした」経験があると回答した人は25.2%だった。「広告を閉じた」と答えた人の割合も24%に上った。

   こうした結果をどう解釈すればいいのか。マイボイスコムの広報担当者は30日のJ-CASTニュースの取材に、「ネット広告に限らず、他媒体の広告でも消費者の行動に直接結びつく割合は極めて低い」とした上で、

「『間違えてネット広告をクリックした』という形であっても、消費者は実際に商品ページなどにアクセスしている。広告主としては、『一定の効果を得た』と考えることもできる」

と話した。

   調査では、「ネット広告についての考え方」も尋ねており、結果は「関係のない広告が表示されるとイライラする」が33.6%で最多だった。広告のせいでブラウザやアプリの動作が重くなるので「わずらわしい」と答えた人も26.9%いた。

広告会社は効果高める取り組み

   一方、「気になるものや面白いものなら内容を読む」(31.6%)、「お得な情報があれば内容を読む」(18.2%)といった回答も目立った。同担当者は、「消費者の興味を惹く広告を表示すれば、マイナスに捉える人の割合は少なくなることが改めて分かる」という。

   実際、広告会社側もネット広告の「効果を高める取り組み」に乗り出している。電通は6月から一般のデザイナーなどからネット広告の改善案を募集し、効果が高い案に切り替えるサービスを導入。博報堂も、消費者のデータをより詳細に分析し、効果的にネット広告を配信する仕組みを6月から開始する。