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【追跡】JDI株、まだ買う!今買う!! 血が滲む企業努力に賭ける

   経営が悪化している中小型液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)が、生産拠点の統廃合と、国内外でグループ従業員の3割弱に当たる3700人規模の人員を削減する経営再建計画を、2017年8月9日に発表した。

   その日の株価は終値で前日比3円安の195円。翌10日は15円安の180円で引けた。

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3月以降、500株買い増した!

   ジャパンディスプレイ(JDI)は2018年3月期の業績予想は公表しなかったが、最終損益は4年連続の赤字が確実な見通しだ。

   経営再建策によると、液晶パネルから次世代の有機ELパネルへシフト。そのために、液晶パネルを生産する石川県の能美工場(能美市)を2017年12月に停止し、従業員を白山工場(白山市)などに配置転換する。また、石川工場(川北町)内の有機EL試作ラインを廃止して茂原工場(千葉県茂原市)に一本化するなど、生産拠点を再編する。

   さらには海外の工場も統廃合。それに伴い、約3500人を削減すほか、国内でも240人の希望退職者を募る。削減する約3700人は、グループ従業員の3割弱に当たるという。

   誰もが先行きを不安視するはずで、それを否定するつもりはない。

 

   とはいえ、2017年5月9日付では「JDI株は『ゾンビ』だ! 今から買える、その根拠を示す」と書いた。5月8日現在で300株を保有(終値で231円)。平均取得単価は 264円57銭だった。

   年明けの2017年1月5日は364円を付けていたが、年初来安値の8月14日には174円まで値下がりした。下がる株価に、今回の大規模なリストラ策の発表で「とりあえず膿が出せた」と、とらえている投資家もいるもよう。8月21日にはやや戻して198円で引けた。「低空飛行」ではあるが、それでも「買い場」であると強調したい。

   実際に、3月22日には1株 262円で100株を購入。3月27日にも247円で100株を購入した。5月2日には228円で100株(この時点で225円が年初来安値だった)を買った。

   さらに「公約」どおり、7月18日には198円で200株を購入。この時点で500株を保有し、平均取得単価を241円70銭まで引き下げた。

   ちなみに、JDIが資金繰りに窮した2016年8月には138円の上場来安値まで下落した。それを考えれば、まだまだ「イケる(下値を拾う)余地がある」と踏んでいる。株価の推移を見ながら、8月14日の174円(年初来安値)を割ることがあれば、買いの下限160円(2016年の高値398円の40%)まで下がるとみており、1000株までは買い増してもいいと考えている。

ギャンブル性を楽しむのも「刺激的」かも・・・

   ここ数日のJDI株は、2017年8月の経営再建計画で発表された大規模なリストラ策を反映して、買われているようだ。発表された人員削減や生産ラインの整理・統合などが着実に実施され、コスト削減の「止血策」が効果を示すようであれば、遅まきながらも明るさが見えてくるのではないか。その過程で株価の上下が生じるとも考えている。

   これまで瀕死の重傷から蘇えった「富士フイルム」でも、「パナソニック」でも、経営陣と社員の血の滲むような努力によって今日があるのだろう。

   今のところ、買い増したJDI株をいくらで売るか、株価はあまり注視していない。それよりも発表されたリストラ策が、確実にしかもスピード感をもって実施されるかに注目している。もちろん、株価が大幅に上昇する場面があれば売却するつもりだ。

   ふだん、株式投資の基本姿勢は堅実な銘柄の長期保有にあると考えているが、たまにはギャンブル性のある銘柄を、倒産もありうるとの前提で購入することもある。現状のJDI株は、正にその状況にあるのだろう。(石井治彦)

保有株式  2017/08/23 500株
年初来高値 2017/01/05 364円
年初来安値 2017/08/14 174円
直近 終値 2017/08/23 199円