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「ここは沼」なのに...... 派遣社員の7割が「働き方」に「満足」

   同じ職場でも、正社員に派遣社員、契約社員、嘱託社員、パート・アルバイト...... とさまざまな雇用形態で働いている昨今。一般的に、正社員のほうが仕事を任されたり、福利厚生面でも恵まれていたりする。

   それに比べて、派遣社員はやりがいや給料面でも、「ガラスの天井」(マイノリティの地位向上を阻む壁)があるように感じるが、意外なことに派遣社員として働く人たちの満足度は高いことがわかった。

  • 「派遣社員」という働き方に「満足」!?
    「派遣社員」という働き方に「満足」!?
  • 「派遣社員」という働き方に「満足」!?

「正社員の働き口がない」ワケではない

   人材採用をサポートするエン・ジャパンの調査(2017年6月22日?7月24日に実施)によると、「エン派遣」を利用している1916人の派遣経験者の、じつに7割が「派遣という働き方に満足している」と答えた。

   派遣で働いたことがある人に「働き方の満足度はどうですか?」と聞いたところ、「非常に満足している」が10%、「満足している」が57%となり、あわせて67%が「満足」していた。

   反対に「あまり満足していない」は22%、「満足していない」が11%と、不満を抱いている人は33%だった。

   なぜ、「派遣」を選んでいるのか―― その理由の上位10位を見てみよう(複数回答)。

   トップは「勤務時間や勤務地などの条件を選びたいから」の51%。次いで「アルバイトやパートより時給がいいから」が43%。「条件にあう仕事を探したら、たまたま派遣だった」が36%、「派遣という立場が働きやすいから」が26%、「Wワークとして働きたいから」が25%だった。

   さらに、「派遣会社を通したほうが、就業チャンスが多いから」が22%、「経験や資格を活かした仕事に就きたいから」17%、「正社員での仕事が決まらないから」16%、「雇用形態にこだわってはいない」15%、「仕事の経験が少ないので経験を積むため」が14%となっている。

   どうやら、「正社員での働き口がない」ということではないらしい。それより、自由に「勤務地や勤務時間を選び」、かつ「アルバイトやパートよりは時給がよく」、「派遣という立場が働きやすい」と、自ら派遣を望んでいる様子がうかがえる。

派遣からの正社員登用は「都市伝説」

   調査によると、「あなたが仕事を通じて叶えたいことは何ですか?」との問いには、「プライベートを充実させたい」と「普通に働いて生活できる収入を得たい」という声が最も多く46%だった。

   3位が「働いて充実した時間を過ごしたい」の43%、「限られた期間(時間)でできるだけ稼ぎたい」が37%、「収入を得て家族を支えたい」の36%がベスト5。次いで、「仕事を通じて成長したい」が35%、「仕事の経験・スキルを磨きたい」31%、「いろいろな仕事や職場を経験したい」29%、「社会とつながっていたい」21%、「働いて自信をつけたい」の20%が続いた。

   がむしゃらに働くよりも、オン・オフともに充実させたいと望んでいる人が多いのか、「今後、希望する働き方は?」という問いに、「派遣で働きたい」と答えた人は69%にのぼった。「派遣以外で働きたい」は26%、「しばらく働く予定はない」は5%だった。

   その一方で、派遣には契約更新が打ち切られたり、交通費が自己負担の場合が多かったりといった、正社員にはないデメリットも少なからずある。派遣として働くうえで不安はないのか、とツイッターをみると、

「派遣なくなりすぎてつらい」
「派遣社員の私...... ボーナスもなく、働いた時間分だけしか給料が出ませんし、スキルを身につけても、そこで長く働くことはできません」
「正社員登用はよく聞くけど、派遣からの正社員登用って都市伝説じゃないの?」
「派遣社員へのフォローや気遣いや、期間内だけでも気分よく働いてもらおうという意思はひとつもなくて、どれだけ使い潰せて楽にピンハネして派遣先にいい顔できるかっていうことに全神経を注ぐ派遣元よ。派遣から抜け出すのは大変、ここは沼。派遣の次は派遣しか待ってない」

といった、悲痛な叫びが見つかった。(KM)