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ヒトは部品じゃない! お金よりも「働き方」が大切

   バブル経済華やかなりし頃、サラリーマンは「24時間戦う」ことが美徳とされた。しかし、「失われた20年」で景気は低迷。働けど働けど給料は増えず、さらにはリストラで職をも失う。そんな疲れ果てた生活が長引いている。

   そんなことからか、いまや多くの人が「激務と高収入」よりも「ほどほどの収入でも平穏な暮らし」を望んでいるようだ。

  • 家族で仲良く平穏に暮らしたい
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あまりに違う「理想」と「現実」

   日本労働組合総連合会の「日本の社会と労働組合に関する調査」(2017年4月21~26日実施。対象は、全国の15~64歳で、自営業・フリーランス、役員・経営者を除く、働く人1036人)が、理想の社会のイメージを聞いたところ、「収入はほどほどでも、仕事と生活が両立できる社会」が、82.5%にものぼった。

   「定年まで同じ会社で働ける社会」が65.7%、「労働者や消費者などの意見が尊重される社会」が81.8%と、「安定重視」「ワークライフバランス優先」といった傾向がうかがえた。

   サラリーマンらが手に入れたいのは、高収入よりもワークライフバランスというわけだ。

   とはいえ、如何せん現実は厳しく、この調査結果にツイッターでは、

「50代になってわかったのは、大企業に安穏と勤めている人間ほど潰しが利かないということ。つまり高齢でリストラされた時に次の仕事が見つからない。あるのは肉体労働の低賃金だったりする」
「リストラされたとわかった時は死にたくなったわ」
「ブラック企業は基本給をぐっと下げて、みなし残業代をほんの少し足すだけで、会社は『残業代払ってるでしょ?』って理由つけて人間を限界まで使い倒す。働いてる側は少ない手取りで長時間働かさせられて、若いうちの転職機会を逃して会社に縛りつけるので、あれは人間を部品とみなす悪魔のシステム」

といった悲痛な叫びがいくつも見つかった。

   あまりに違う「理想」と「現実」に、今はまだ自分の身は自分で守るべきなのかもしれない。

生活に「満足」54%、「不満」を上回る

   とはいえ、現在の生活に満足している人が少ないわけではない。調査では、「現在の生活に満足しているか」の問いに、「とても満足」と答えた人は8.9%、「やや満足」は45.2%となり、「満足している」人は合わせて54.1%だった。

   反対に「やや不満」が30.6%、「とても不満」は15.3%で、「不満を感じている」人の合計は45.9%。「満足」している人が半数を超える一方、不満を感じている人の割合も少なくない。

   また、「将来に不安を感じることがあるかどうか」聞くと、「非常に感じる」が38.2%、「やや感じる」は38.8%で、合計で約8割もの人が「将来に不安を感じている」という。

   いったい、その不安はどこから来るのだろうか――。「将来に不安を感じる」と答えた798人にその理由を聞くと、トップは「老後の生活」の64.2%。次いで「預貯金など資産の状況」が56.0%、「家計のやりくり」が52.4%、「自身の健康状態」は46.0%、「税金や社会保険料の負担」43.7%、「仕事の有無」41.5%と続いた。

   世代別にみると、「老後の生活」は60代では82.0%と8割を超え、世代が上がるにつれて高くなっている。

   一方、「仕事の有無」は若い世代ほど関心が高く、10代では58.8%、20代では52.8%だった。

   やはり、老後の生活や仕事を失うことへの不安を抱えている人が少なくないようだ。(KM)