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【34】もう若くない! それでもグンと伸びる? 40代からの「単語帳」断捨離学習法(井津川倫子)

   40代での英語やり直しは、学生時代に身についた勉強法をどれだけ捨てられるかで成否が分かれます。

   私は、これまでにご紹介した「ラジオ講座」「辞書」に加えて、「単語帳」を捨ててうまくいきました。単語帳を捨てたとたん、勉強の仕方が変わって効率がグンとよくなったのです。さて、その理由は......

  • 単語帳は捨てる!
    単語帳は捨てる!
  • 単語帳は捨てる!

秘策その17 単語帳を捨てよ!

   じつは、40代後半で英語やり直しにチャレンジした当初は単語帳をつくっていました。

   参考書や問題集で出会った、知らない単語や重要単語を抜き出しては、一つひとつ意味を調べて、単語帳に書き込んでいました。まさに受験勉強のノリです。

   しかも、学生時代と比べて記憶力の衰えを痛感している中年です。努力で衰えをカバーすべく、せっせと単語帳の作成に勤しみました。

   ところが、「後で見直そう」、そう思って単語帳を充実させるうちに、単語帳の作成が負担になっていることに気がつきました。私はTOEIC L&Rに挑戦しましたが、単語帳をつくる時間ばかりが増えて、肝心の予想問題を解く時間が減っていたのです。

   これではまったくの本末転倒です!

   負担になっていたのは、時間だけではありません。

   単語帳をつくる時は「後で見直そう」と決意するのですが、なかなか見直す時間が取れません。単語帳のページは増えても、覚えた単語の数はいっこうに増えない。

   そうなると、「ちゃんとやらなくちゃ」と焦る気持ちだけが募り、だらしない自分を責めるはめに...... 自己嫌悪が高じて、TOEIC受験をやめてしまおうかとまで思い詰めました。精神的にも負担になっていたのです。

プロ厳選の「よく出る英単語」だけを集中して覚える

   そこで、「作戦変更」です。

   単語帳をつくることをキッパリとやめて、市販のTOEIC単語本に集中することにしました。この連載でたびたびご紹介していますが、「TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ 」(TEX加藤著、朝日新聞出版発行)に掲載されている単語を覚えることだけに限定したのです。

   知らない単語があっても単語帳に書き出しません。一冊の本を何度も繰り返しながら覚える方法に切り替えましたが、これが予想以上に効果がアップしたのです。

   それもそのはず。プロが選んだ「厳選単語」に絞りこんで覚えるほうが、自分が知らない単語をかたっぱしから覚えようとするよりも、効率がよいのは当たり前なのです。受験勉強のノリを忘れられずに、「単語帳」にこだわっていた自分を深く反省しました。

   単語帳づくりの呪縛から解放されたとたん、学習効率がグンと跳ね上がりました。

   学生時代には気がつかなかったのですが、シチュエーションや目的によって使われる英単語は意外と限られています。ビジネス会話で使われる単語、ニュースでよく目にする単語、海外旅行で使う単語で、よく使われる「レギュラー組」は固定しています。

   しかも、どの単語がよく使われるかは、その道のプロが莫大なエネルギーを費やして分析してくれています。そう考えると、英単語に関してはプロの「目利き」にお任せするのがもっとも効率的ではないでしょうか?

   知らない単語をすべて覚える必要はない、プロが厳選した「よく出る単語」だけを集中して覚えよう、と割り切ることが大切です。

   単語帳をつくるのは、時間がたっぷりある学生さんにおゆずりして、われらサラリーマンは効率重視といきましょう。

今週のニュースな英語

~ 選挙で悲喜こもごも「勝ち馬に乗る」は、英語で何て言う? ~

   大型台風が上陸するなか、第48回衆議院議員総選挙が行われました。野党第一党だった民進党が分裂し、「希望の党」や「立憲民主党」といった新党が話題になりました。

   話題の中心はめまぐるしく変わり、なかでも「小池旋風」の失速ぶりが明暗を分けたと報じられています。

   時流に乗って当選した人、涙をのんだ人、まさに悲喜こもごもといったところでしょう。

   英語で「時流に乗る」は、「jump on the bandwagon」です。

   「勝ち馬にのる」「便乗する」とも訳されます。

   「bandwagon」は、文字どおり「band」(音楽バンド)が乗った「wagon」(大型自動車)で、サーカスやパレードの先頭にいる楽隊車のこと。誰もが乗りたがる楽隊車に「jump on」(飛び乗る)ので、「流行や人気に乗る」といった意味で幅広く使われます。

   なんとなく、ウキウキと楽しい気分になる言い回しです。こういった表現に出会うと、「英語っておもしろいな」と、つい思ってしまいます。