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「人は見た目が肝心」でもない? 身だしなみは「自己ブランディング」が大事(篠原あかね)

   日頃、ビジネスマナーの公開セミナーはあまりないのですが、過日久しぶりに登壇をする機会がありました。そういった場は、業界・職種が異なる方々が参加なさいますので、私にとっても多くの気づきがあります。

   ビジネスマナーを語る際には、必ずといってよいほど身だしなみの話題になります。「おしゃれは自分のため、身だしなみは相手のため」であることは、本コラムでも再三お話ししているとおりです。

  • 人は見た目? 「ロン毛」だからといって……
    人は見た目? 「ロン毛」だからといって……
  • 人は見た目? 「ロン毛」だからといって……

派手なジャケット、金髪ロン毛にたじたじ......

   さて、今回のセミナーですが、受付を終えて会場に入る参加者の皆さんに私は笑顔で挨拶をしながら、お一人おひとりの様子を確認し、セミナーの進め方を頭の中で再度考えていました。

   「おはようございます!」と挨拶しながら、あるグループを見た瞬間に私は「怖い! どうしよう」と足こそ動かなかったものの、気持ちは完全に後ずさりしました。

   染めムラが目立つ金髪のロン毛、筋骨隆々の大きな体には、派手なジャケットとダメージジーンズ、背中に怖そうなイラストが描かれたシャツ、そして薄緑色のサングラス。他のメンバーも、そこまで派手ではないものの似たような雰囲気です。

   これは困ったぞ。他の参加者もいる手前、身だしなみについてどんな感じで進めていこうか?

中途半端はダメ!

   しかし、実際に話をしてみると皆さんとても気さくでしっかりとしています。

   いよいよ、身だしなみの話題になった際、先の派手なジャケットを着た彼がこう言いました。

「私はこの格好を意図してやっています。誰がみても第一印象はチャラい男、怖い人です。だからこんな見た目の男がきちんとした言葉遣いで丁寧な仕事をするとそのギャップに驚いて次回もリピートしてくれるのです」

   なるほど、マイナスの印象から入ってプラスに変える戦法ですね。

   確かに、彼はコミュニケーション能力も高く、考え方も非常にしっかりとしており、後輩の指導もバッチリ。さらにお客様からの信頼も厚いようです。

   ガチガチの身だしなみを求める業界ではないことと、彼なりの信念を持って、かつ結果も残せているからこそ問題にならないのでしょう。これまで多くの企業で研修をしていますが、ここまで突き抜けていればあっぱれです。

   ただ、このパターンは彼のように誰もが納得するだけのスキルがある人に通用するのでは、とも思いました。

   中途半端にすると、マイナスの印象のまま終わってしまう可能性もありそうです。自分をどうブランディングしていくか、私にとっても楽しい発見ができたセミナーでした。(篠原あかね)