J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

ゴルフ場はこのまま潰れ続けるのか? 倒産急増も「楽観論」の理由

   全国でゴルフ場の倒産が、リーマン・ショックがあった2008年を上回るペースで急増している。

   企業調査の帝国データバンクによると、2018年の倒産件数は4月時点で13件となっており、わずか4か月で前年の12件を上回っている。5月18日の発表。このペースで倒産が続いた場合、年間40 件前後が発生する可能性がある。

  • 競技人口の減少などで、ゴルフ場の倒産が急増(写真はイメージ)
    競技人口の減少などで、ゴルフ場の倒産が急増(写真はイメージ)
  • 競技人口の減少などで、ゴルフ場の倒産が急増(写真はイメージ)

18年は40件前後が倒産する?

   調査によると、2017年(1月期~12月期決算)の収入高の合計は、約6456億3300万円。15年(約6301億7800万円)から16年(約6478億1100万円)にかけては、2.8%増えたが、17年は一転し、前年を0.3%下回り減少した。

   このうち、「増収」となった企業は、2016 年は359 社だったが、17 年に増収となった企業は253社で、前年と比べて29.5%もの減少となった。構成比では26.6%を占める。一方、「減収」の企業は353社で、前年から8.0%増えた。構成比でみると37.1%と高い割合を占めた。「横バイ」の企業は345社(構成比36.3%)だった。

   2017年の倒産件数は、前年の18件から12件に減り、負債総額は751億7300万円から339億4400万円に減った。ただ、18年は4月時点ですでに13件。負債総額でも537億500万円と前年を上回っている。

   倒産が急増している背景には、近年の競技人口の減少や高齢化の進展と、若年や女性といった新たな利用者の獲得の遅れがある。また、ゴルフ場の施設整備などのため、会員がゴルフ場に預けた「預託金」の償還に対応できず廃業を選ぶケースも多いという。

「ゴルフは会社のカネでやるもんだろ」

   ゴルフ場の倒産が急増していることに、インターネットの掲示板などでは、

「日本人のゴルフは中小企業の社長が営業の一環でやってる程度だろ」
「アベノミクス効果でしょ。社長はカネがあるんだろうけど、若い世代は貧乏人ばかりだから仕方ないね」
「だいたい始めるのにいくら金かかるんだよ。道具一式、練習費用、プレー代、ゴルフ場に行くのにクルマもいるし。アホくさ」
「千葉の山ん中ってゴルフ場だらけだぞ。跡地は全部太陽光発電とかになるのかw」
「ゴルフは会社のカネでやるもんだろ。自分のカネでやるもんじゃない」
「そもそも何が楽しいのかさっぱりわからない」

といった声が寄せられる。

   ゴルフをやっていないと思われる人の目には、どうやら「接待ゴルフ」の印象が強く、楽しいスポーツには映っていないようだ。

   ただ、ゴルフは2016 年にオリンピックの公式競技に復帰。2020年の東京五輪への期待感が高まるなど、「追い風」ムードも漂う。松山秀樹選手ら若手ゴルファーの活躍もあって、来場者数の下げ止まりがうかがえるなど、ゴルフ場の経営環境の悪化に歯止めがかかりつつあると楽観視する向きもある。

   なお調査は、2018年5月時点で3期連続(2015~17年決算)で業績が比較できるゴルフ場経営の951社を抽出して、収入高の推移などについて分析した。