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「ええっ」って顔をされた...... 同性カップルの家探し、そのときカミングアウトするしない?

   同性カップル(LGBT)に、「家探し(賃貸・購入)の際に、LGBTであることを不動産会社にカミングアウトしたかどうか」を聞いたところ、全体で41%がカミングアウトしたと答えていることが、リクルート住まいカンパニー(東京都港区)が運営する不動産・住宅サイトの「SUUMO」の調査でわかった。2018年5月24日の発表。「自分から積極的にカミングアウトした」カップルは25.4%、「(関係などを聞かれて)仕方なくカミングアウトした」は15.6%だった。

   一方、「カミングアウトする必要がなかったのでしなかった」カップルは、全体で45.9%。女性同士カップルは52.0%、男性同士カップルは41.7%で、女性同士のほうが10.3ポイント高かった。

  • LGBTの家探しはむずかしい!?
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男性同士のカップルのほうが「積極的」

   調査によると、「家探し(賃貸・購入)の際に、LGBTであることをカミングアウトした」男性同士のカップルは、43.1%(「積極的」な人26.4%と「仕方なく」カミングアウトした人16.7%の合計)。女性同士のカップルは、38%(24.0%と14.0%)だった。

   「自分から積極的にカミングアウトした」は、男性同士のカップルが女性同士よりも2.4ポイント上回った。

   積極的にカミングアウトした理由としては、

「自分から打ち明けることで、その後のやり取りにおいて信頼をもってもらうため」(25歳、ゲイ)
「カミングアウトしたほうが、あとから露呈してトラブルになるより得策だと感じた」(50歳、男性・バイセクシュアル)

など、不動産会社との家探しや入居後のトラブルを回避するためのようだ。

   一方、「カミングアウトしたほうが、話がスムーズだったがしなかった」カップルは、全体で6.6%(男性で5.6%、女性8.0%)。「カミングアウトする必要がなかったのでしなかった」と合わせて、52.5%のカップルがカミングアウトしなかった。

   その理由は、女性カップルの場合、

「女性二人でのシェアハウスですがいいですかと聞いたらOKだったので、特に話す必要がなかった」(44歳、女性・バイセクシュアル)

といった声が多かったが、男性の場合は、

「同性パートナーだというと物件を探してもらえなくなると思った」(53歳・ゲイ)
「カミングアウトすることが怖かった」(52歳、ゲイ)

など、カミングアウト後の反応に対してネガティブなイメージを抱いているようすがうかがえた。

   ちなみに「答えたくない」は、全体で6.6%だった。

「女性同士の入居に不信がられてしまった」

   さらに、「家探しの際に、LGBTであることで苦労があったか」聞いたところ、「あまり苦労していない」「まったく苦労していない」を合わせて、全体で55.7%と半数を超えた。ただ、「やや苦労した」「非常に苦労した」も全体の44.3%を占め、苦労した人も多いことがわかる。

   特に「非常に苦労した」割合は、男性同士のカップルが22.2%、女性同士は8.0%と、女性よりも14.2ポイント高く、かなり苦労しているようだ。

「断られた」(29歳、ゲイ)
「同性同士の同居に対して、不動産会社の人たちから偏見の目で見られた」(53歳、ゲイ)
「『ええっ』って顔をされた」(58歳、ゲイ)
「女性同士の入居に不信がられてしまった」(33歳、女性・バイセクシュアル)

といった声が寄せられている。

   その一方で、LGBTに配慮がある行政区に相談したり、物件を購入したりするケースでは、あまり苦労せずに家を探せるようだ。

   なお調査は、LGBTに該当し、かつ同性のパートナーがいたことがある18~59歳の全国の男女を対象に、2018年3月26~30日にインターネットで実施。有効回答数は364人(このうち、男性同士カップル227人、女性同士カップル137人)。