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「50万円が30億円!」 SNSに、そんなトンデモ金儲け話がある!?

   「1日数分の作業で月に数百万円稼げます!」「50万円が30億円になる驚きの投資法!」といった、トンデモ金儲もうけ話がインターネット上にあふれ、騙される人が急増している。

   インターネットで取引されている情報商材に関するトラブルの相談が、2017年度には6593件に達し、2013年度に比べ7倍を超えたため、国民生活センターは2018年8月2日、ホームページに悪質な事例を発表、注意を呼びかけた。

  • SNSにある儲け話は要注意!(写真はイメージ)
    SNSにある儲け話は要注意!(写真はイメージ)
  • SNSにある儲け話は要注意!(写真はイメージ)

最初は1万円の情報商材が言われるがまま......

   「情報商材」とは、副業や投資、ギャンブルなどで高額収入を得るためのノウハウと称して、インターネットの通信販売で取引されている情報のこと。情報商材はPDF形式などで販売されることが多く、パソコンやスマートフォンを使ってダウンロードしたり、閲覧したりする。事業者によっては、動画やメールマガジン、アプリで配信したり、冊子やDVDなどに加工して契約者に送付したり場合もある。

   情報商材そのものだけでなく、情報商材をきっかけに高額なコンサルティングやビジネスセミナー、ソフトウエアなどを契約させられるケースもある。いずれにしても、契約した後でないと商材の中身を見られないため、詐欺商法の温床になっている。

   たとえば、こんな事例がある。

【事例1】最初は安い情報商材を購入し、さらに高額な契約を勧められたが、約束のサポートがない。

   SNSで友達登録した人から「1日10万円稼げる副業」というメールが送られてきた。ホームページを作りアクセスを増やすことで簡単に稼げるというので、1万円で情報商材を購入した。

   その後、事業者から電話があり、アクセス数を増加させる90万円のツールを勧められた。「途中でやめても返金できる」と言うので、信じて買った。さらに後日、事業者から電話があり、作業が進まないので新たな契約をするよう勧誘された。「お金がない」と断ると、「前回契約した90万円の代金を一部免除するから、新たに85万円の契約を」と威圧的に迫られ、断りきれずに支払った。

   「命がけでサポートする」と言っていたのに、サポートはなく、言われるままにツールを使って作業をしたのに儲からなかった。解約と返金を求めたが断られた。(20歳代女性・福岡県)

【事例2】情報商材を購入したが、内容が説明と異なるうえに儲からない。

   SNSで見知らぬ人から「1日1通のメール送信で月50万円儲かる」と紹介された。ウェブサイトを見ると、代表者の苦労話の動画があり、経験豊富そうで信用できると思った。

   「通常100万円だが、今すぐ申し込めば30万円にする」というので情報商材を購入した。しかし、実際はメールを送る作業ではなく、大手通販会社のアカウントを作り、商品を販売するという内容で、商品は売れたが販売手数料を取られて儲けはなかった。電話で返金を希望すると、「プロデュース会社の誇大広告で、1日メール1通で稼げるわけがないだろう」とケンもほろろで、その後電話がつながらなくなった。(40歳代女性・千葉県)

「一瞬にして資産が数千倍に!30億円確約。先着10名」

【事例3】求人サイトで「在宅で稼げる。返金保証」とあったが、まったく稼げず返金も拒否された。

   求人サイトで副業を検索中に「在宅で稼げる。返金保証」という案内を見つけた。インターネットでブランド品をリサーチする内容だ。「パソコンがあればいつでも仕事ができ、みんな月に20万円稼ぐ」「最初に50万円必要だが2~3か月で取り戻せる」と言われ、支払った。契約内容の説明はなかった。1か月経っても利益がないので返金を求めると、「日報を提出していない」と拒否されたが、日報についての事前説明もなかった。その後もまったく利益が得られず、日報を作成して再度返金を求めたが拒否された。(20歳代女性・埼玉県)

【事例4】仮想通貨の30億円の儲け話に高額な契約をしたが、サービスの提供がない。

   儲かる仕事を求めて登録したメールマガジンで、「アプリに入金するだけで、自動的に仮想通貨が運用され儲かる」という話が届いた。預けた資金が半年ごとに30倍になるというので、10万円を支払った。決済直後、サイトから「50万円コースに参加する権利を得た」「一瞬にして資産が数百倍から数千倍に! 1億、10億、30億円確約。先着10名」というメールが届き、チャンスだと思い、すぐに50万円を支払った。しかしサイトからアプリが届かず、メールで催促しても返信はなく、連絡が取れない。(30歳代男性・東京都)

「無料」にツラれて泥沼化

【事例5】SNSでFXの情報商材を知り、セミナーに出かけて契約したが、無価値な内容だった。

   SNSで、毎月高額な利益を得られるFX(外国為替証拠金取引)の情報商材の宣伝をしていた。月利50%で毎月20~30万円稼ぐ動画広告もあった。無料セミナーに出かけると、誰でも簡単に稼げると強調され、「今日なら100万円が約40万円」と言われ、コンサルティング委託契約書を交わした。

   情報商材をダウンロードし、助言を受けながら行ったが、結果が出なかった。すると、「月利100%の特進コースがある」と勧められ、さらに110万円を支払った。SNSで教材が配信され、動画で受講するシステムだが、内容は極めて一般的なもので、価値があるのか心配だ。(30歳代男性・大阪府)

   こうした相談について、国民生活センターでは次のように注意を呼びかけている。

「情報商材は、契約前に中身を確かめることができないのが特徴です。高いカネを支払って購入してみたら、広告や説明と違ったというトラブルが絶えません。儲け話につられて内容がわからないまま契約をしたり、話を聞くだけのつもりが断りきれずに契約をしたりするケースが多いので、少しでも怪しいと思ったらきっぱり断りましょう」

   また、最近多いのは、初めから高額の契約を勧誘するのではなく、無料や1万円程度の安い情報商材を販売してから、次第に高額な契約を勧めて泥沼にはめていく手口だ。安い商材では稼ぐ方法を明示しないため、一度契約すると、元を取ろうとして、もっと高い商材が欲しくなる仕掛けだ。

   「その際、事業者は『100%元が取れる』『返金保証がある』『儲かるまで徹底的にサポートする』などと甘い説明をしますが、安易に信用しないように」とアドバイスしている。