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やっぱり自由競争は不安 学生も企業も6~7割が就活ルール必要

   日本経済団体連合会が2018年10月9日、就職活動のルール撤廃を正式に表明。今後は政府主導で就活のあり方の議論が始まるが、大学生の7割以上が「勉強に集中できず、就活の日程ルールは必要」と不安を抱いていることがわかった。

   一方、企業側も6割以上が「優秀な学生を採用しづらくなり、必要な人数も確保できなくなる」とルールが必要だと考えていることが明らかになった。

   就職情報大手のディスコ(DISCO)が10日に発表した学生、企業双方への緊急アンケート調査でわかった。

  • 学生は早めに就活を終わらせたい?(写真はイメージ)
    学生は早めに就活を終わらせたい?(写真はイメージ)
  • 学生は早めに就活を終わらせたい?(写真はイメージ)

学生のホンネは最後の1年は遊びたい?

   経団連が指針としている現行の就活ルールは、学生の採用面接の解禁時期を大学4年の6月以降と定めているが、ほとんど形骸化しているのが現状だ。

   文部科学省は10月10日、全国約2500の企業を調査した結果を発表したが、実際の解禁時期より前に選考活動を始めていた企業が全体の62.4%に上っていた。

   選考開始時期を企業の規模別にみると、従業員300人以上の大企業はルール通り6月に開始したところが37.3%と最も多かったが、中小企業は4月からの開始が27.1%と最も多くなっていた。これは、大企業の多くが経団連に加盟しているからとみられる。

   ディスコの調査によると、就活ルールの必要性について大学生に聞くと、「ルールは必要だが、今の日程でなくてもよい」(46.5%)と「今のルールがよい」(24.2%)を合わせると、「ルール必要派」が7割を超えた=図参照。

   就活ルールがなかったとして、就活を開始したい時期を聞くと、「大学3年生の4月」が最も多く12.2%。次いで「大学4年生の4月」(11.3%)、「大学3年生の12月」(8.9%)と続いた。

   就活を終了したいのは「大学4年生の4月」(21.1%)がトップ。次いで「大学4年生の6月」(19.9%)、「大学3年生の3月」「大学4年生の5月」(いずれも11.8%)だった。

   いずれも現在の日程ルールより早いスケージュールを希望しており、大学生の多くが3年生のうちに就職先を決めたいと思っているようだ。

企業も「廃止」の影響に戦々恐々

   一方、企業側は、採用活動の日程ルールが廃止されると、「優秀な学生が採用しづらくなる」(64.7%)と考えている。「採用しやすくなる」はわずか5.2%だった=図参照。

   また、必要な採用人数の確保については、「確保しづらくなる」が65.0%で、「確保しやすくなる」と答えたのは5.1%だった。

   就活ルールの廃止について、インターネットでは、

「早い者勝ちみたいな?」
「秋入社にしてくれよ」
「大学1年次からの就職活動と言うことだよな。いや、大学合格と同時に就職活動開始だwww」
「大学は単なる高卒学力の検定機関に成り果てる」
「『特別なコネ枠優遇』 のように見える」
「就活ルール廃止で、いい人間をじっくり取りたい放題w 結局これが経団連のいう経済政策w」
「○月解禁就活スタート!て言ってくれたほうが動きやすい学生はいると思う。未内定卒業者が増えそうな予感...」

といった声が。「ルール廃止」には後ろ向きなようだ。

   なお調査は、2019年3月卒業予定の大学生1159人が回答(10月1日から9日に実施)。また、企業は全国の主要1302社が回答した(9月26日~10月5日に実施)。