J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

揺れるドル円相場に、初参戦の一橋大、國學院大が先制パンチ(FX大学対抗戦 SEASON3)

   3季目を迎えた「1万円からはじめる為替バトル FX大学対抗戦」。今季は早稲田大、明治大、慶応大に加え、新たに一橋大と國學院大が参戦。5大学の学生が、持ちうる情報力と知力を総動員してのガチンコのマネーバトルに挑む。難解な為替相場を読み解き、元手の1万円をどこまで積み上げていけるのか――。大学の威信をかけた戦いが幕を開けた。

【FX取引ルール】
  • 投資の対象は、ドル円。レバレッジは上限を1000通貨とします。
  • 変動幅10%を下限にロスカットを置いてください。下限に抵触した場合は、1回(1週間)強制的に休止(ペナルティ)。反省文、あるいは1週間の研究結果などを、報告すること。

   

市場の気まぐれさに翻弄されて......(早稲田大)

   これから1年間、FX未経験者ながら暫定的な戦略を綴っておきたい。FX取引には、1日に何度も取引するスキャルピングやデイトレードのような方法がより一般的なイメージがあるが、自分が株式を投資する際は基本的に中長期的な目線でみる投資スタイルをとっていたため、FX取引についても常に大局的な目線を忘れずに、長期的なトレンドに意識を向けながら、数日、場合によっては数週間にわたってポジションを持ち続けることを考えていきたい。

   ただ10月でいえば、取引サイトのフォーマットなどにも慣れるべく、試験的に少額のポジションを積極的に持ちつつトレードをいきたいと考えている。

   少額であれば、ある程度のリスクも許容できるし、その結果からも学ぶことができると感じる。トータルでこの大学対抗戦で勝利することを見据えて、まずは尻込みせずに自分が思ったことを素早く取引に反映させて学んでいきたい。

10月9日(火)

   チャートを見るとここ数か月間、上昇トレンドが続いている。ただ、ここ数日の短期間で見た時の高値は1ドル114.5円で頭打ちと考え、そこからの下落基調の継続に期待して200通貨分を113.13円でショートポジションを持った。

10月10日(水)

   翌日112.97円まで下落しているのを確認して決済。その後もショートポジションを持とうと112.97円で売った。数日間ポジションを持つことも見越して頃合いをうかがってさばいていきたい。

10月11日(木)

   指値注文が1ドル112.83円でうまくとおり、現在総資産10146円で終えることができた。現在、急落からの横バイが続いており、引き続き市場の動きを注視していきたい。 112.97円で売り、112.83円で買い。1万円から146円プラス。

10月15日(月)

   先週末10月13日、14日は1ドル111.88円から112.5円のレンジで推移していたものの15日昼ごろに均衡はあっさりと破られ下落が始まった。一度チャートが元レンジ圏内の111.88円の地点まで持ち直したところで、さらに下降トレンドが続いていくと考え、111.85円でショートをかけたと同時に111.72円で指値注文を出したところ、2時間後に約定された。

10月16日(火)

   為替市場はきょう朝7時過ぎから1ドル111.73円あたりを転換点として現在21時53分時点でいまなお上昇基調にある。火曜日は講義多くチャートが確認できずもどかしかったが112.16円あたりをレジスタンス(上値抵抗線とも呼ばれ、相場がその水準を維持して、それ以上は上がりにくいとみられるポイントをいう)として何度も反発しているのを確認したため、頃合いを見計らい112.11円でショートをかけてエントリーした。

   しかし、その後数十分後には112.18円近くまで急上昇。市場の気まぐれさを思い知った。
ただ、簡単にこの10月初旬のような円安トレンドに戻っていくとは考えにくいので、このまま指値を出して、しばらく様子をうかがいたい。

10月18日(水)

   ドル円相場は、一時112.70円近くまでつけた。米財務省が半期に一度発表する為替報告で中国を為替操作国に認定することを見送ったことが原因の一つであると考えられる。現在は112.50円で推移しているが、この上昇要因がこうして判明している以上、ポジションに手を加えず当初の予定どおり、引き続き数日単位で様子を見たい。

10月19日(金)

   昨晩2時ごろ、長期金利の下落も伴って為替市場は一時、1ドル111.94円を付けていた。為替市場は24時間動き続けるため、こうして後から歯がゆい思いをすることが多くなっていくのだろうと感じた。

   下落の原因は米ニューヨーク株式市場でダウ平均株価が急落。ナスダック総合指数もおよそ150ポイント安と急落したために、株安への危機感が再び投資家に広がったことによるものと考えられる。これ以上の利上げが行われることもすでに織り込み済みであるから、これ以上ショートポジションを持つのはいささか危機管理にかけると考え、損切りした。

   結局、112.11円で売って、112.41円で買い戻し。トータルで34円損してしまった。

1万円からの損益 マイナス34円
10月19日現在 9966円

様子見で臨んで、ちょっと後悔(明治大)

10月8日(月)

   今週の方針はドル円相場を観察することにした。10月4日までは上昇トレンドであったが、イタリア財政への懸念、英国のEU離脱交渉の先行きの不透明感、米ニューヨーク株式市場でダウ平均株価が急落したことなどから、円が買われたようで8日は1ドル113.05円まで一時下がった。方針どおり、この日は取引しなかった。

10月9日(火)

   ドル円相場は若干、回復。1ドル113.25円まで円安が進み、この日16時ごろ113.39円までドルが上昇したが続かず、9日は下げた。取引しなかった。

10月10日(水)

   今週は相場を見守る方針だったが、ここまで強い下落相場だと「売り」でポジションを持っておけばよかったかも、と思う。しかし、そう思う半面、そろそろ反発する気がするのでそのまま見守ることに。この日も取引せず。

10月12日(金)

   この日も取引は見送り。好調な上昇トレンドから急な下落相場だったが、日経平均株価が反発したからか、この日は持ち直した(16時現在)。そろそろドル下落も落ち着き、転換して上昇するのではないかと思っていたが、今日が転換日だろうか。

   今週を振り替えると陰線(終値が始値よりも下がった状態のこと)が連続し「売り」ポジションで持っていれば、かなりの差をつけられていそうだが、他大学がどう動いているのか楽しみ。 今週は取引を見送る姿勢を通したがチャンスを逃した気がする。

10月18日(木)

   今週は先週と比べて値動きは小さく、上昇の兆しも見せたが動きがどうやら上がりにくいようだ。今週はレンジ相場といったところか。やはり、レンジ相場より流れがあった先週の下降トレンドのほうが値幅も大きく「売り」ポジションを持っておくにはいい機会だったかもしれない。

   17日23時ごろから18日9時ごろまでは、1ドル112.01円から112.710円まで上がり3日連続の上昇かと思ったが、そこからは勢いが落ち、112.50円でラインを引いていたので、越えれば113円までは行くと予想していたがハズレ。上昇は112.727円までで、その後に下落。もう少し感覚を身に付けたいところところ(笑)
きょうも取引はせず。

10月19日(金)

   朝起きてドル円相場を確認してみると、一時1ドル111.952円まで下がっていた。どうやらサウジアラビアの地政学的リスクによる米国株の暴落でリスク回避での円買いが原因のようだ。 111.952円で下ヒゲ(ローソク足で実体を示す太線から下に伸びる細線で、安値からの始値または終値の値幅を表す)をつけて跳ね返したが、ここからどうなるか。12日~14日などを見るとこの辺りで跳ね返しているし、ここにサポートライン(支持線=為替レートが過去数回にわたり、その水準で下げ止まった価格帯を示す)を引くことができる気もするが少し戻して、ラインを割って下がると予想。 取引はせず。

   先週の予定どおり相場の様子を見たが、リスクオフによる円買いのせいか「売り」圧力が強く、「買い」の勢いがつきにくいという印象。ただ、欲をかかずにやっていけば勝機はありそうなので、来週からは重い腰を上げて参戦。頑張っていきたい。

1万円からの損益 プラス・マイナスゼロ
10月19日現在 1万円

2週続きで負け越し「チャートは通常と違った」(慶応大)

   今週(10月8日週)水曜日までのドル円相場や株価は、月曜日に大きな下落があったことを除くと大きな変動がなく、スウィングトレードの予測がしづらい週となった。

   また米中関係、日経平均株価の低下など多くの変化があり取引が難しかった。チャートを10月3日からみると、大きな下降トレンドとなってはいるが、5日(月)に大きな価格の下落を除くと大きな変化は少なく、チャートは上昇下降を繰り返すレンジ(変動幅、分布幅)になり、スイングトレードをしようとしていた自分としては難しい状況になった。

   また成行取引でなく、指値取引も今回は値段の読みが難しく先送りにした。

10月8日(月)

   円価格が大きく低迷。夜間であったため、取引できず、大きな下降トレンドを見逃してしまった。その先の12時から17時にかけての「ドル売り」にも手が出せず、取引を見送った。

10月9日(火)

   前日に大きな下落(ドル安)があったが、その下落のトレンドラインを大きく跳ね、上昇トレンドラインがかけたので取引を決行。14時40分(こちら、夜中の2時で間違いないでしょうかーすみません14時です)からの上昇トレンドをとらえ、113円122銭から286銭まで釣り上げたところで、利益を確定した。10000円が10001.45円になった。

10月10日(水)

   この日は、取引を見送った。

10月11日(木)

   この日は安直にデイトレで稼ごうと思ったが失敗。損切りを多くする羽目になった。
112円992銭で買って、112円090銭で損切りに。5.08円、損した。

10月12日(金)

   この日は予定があり、取引ができなかった。

   10月15日週は、スイングトレードで攻めようと決めていたため、15日9時11分から1000通貨単位を「売り」でポジションを持った。 調子はよく、米国と中国の貿易摩擦に伴う経済情勢の悪化により、大きな下げトレンドに乗ることができた。10月16日の11時20分時点で、買い戻し。3円9銭の利益を確定した。

   しかし、この時点でまだまだ下がると読み、1ドル111円半ばまで下がると予想。ロストカットも高めに設定して取引したが、これがよくなかった。 米国で力強い利上げが必要という流れに、多くの人が賛成したことでトレーダーが金利上昇を予想して株価が大きく上がり、ロストカットの設定を飛び越えてしまった。結局3円の利益も、このロストカットによってマイナス6.63円となり、全体で9991円61銭と、また負けてしまった。

   しかし、今週と先週のチャートは通常とは比較的違うもの。来週には通常の取引ができそうなので、気持ちを切り替えて来週からのトレードに臨みたいと思う。

1万円からの損益 マイナス8円39銭。
10月19日現在 9991円61銭

プラスを確保したけれど「なんだか、性に合わないかも」(一橋大)

10月9日(火)

   きょうはコンテストの初日。さっそく取引を始めてみようと思いチャートを見ると、9月から続いていた円安相場が114.547円を境に押し返されていた。
115円をブレイクするのはいつになるのだろうか。明後日11日には米国消費者物価指数(CPI)の発表がある。短期的な下降トレンドに乗って「売り」から入り、11日まで様子をみようと思う。

   1ドル113.168円を1000通貨。売りポジションを保有した。

10月10日(水)

   相場を逐一チェックしたくなるのはこれまでの株式取引にはなかったことだ。いつ買い戻そうか、非常にもどかしい気持ちになる。
ただ、最初に決めたストーリーを守ることがFXでも大事だと思い、11日まで引き続き様子見。ドル円相場は早朝4時の112.873円から緩やかに上昇し、現在21時30分。米ニューヨーク為替市場では活発な取引時間を迎えている。

   【追記】現在23時を回ったところだが、突如巨大な陰線(終値が始値よりも下がった状態のこと)が現れ、底値は1ドル=112.762円を記録した。急に膨らんだ含み益にたまらず買い戻し。11日を前に、これで一たんお休みする。

   1ドル112.818円で買い戻したことで、350円のプラスになった。

10月11日(木)

   朝からの米日両国の株式相場の暴落で読みづらい展開になっていると思う。米国CPIはほぼ予想どおりの水準となったが、ドル円相場は日足75日移動平均線に迫るほど下落してきた。
まずはこの下落のトレンドに乗ろうと思う。移動平均線(一定期間の平均価格をつないでチャートに示した線)との関係がどうなるかに注意しながら取引したい。

10月12日(金)

   前日に「売り」から入った分は若干の含み損となっているが、下降トレンドは継続中であり安易に買い戻すのは危険と判断し、きょうは待機した。現在22時を過ぎたところだが、先日から夜中に値が大きく動いている。注意して市場の動向を見ていきたい。

10月15日(月)

   久しぶりの大幅株安となった週が終わったものの、動きづらい相場が続いていると思う。株式市場の次のトレンドはまだ予測できないし、米国の利上げをめぐる問題もトランプ大統領のFRB(連邦準備制度理事会)批判によって不透明感が増した。ムニューシン財務長官の「為替条項」発言もあれば、11月には中間選挙も控えている。
この状況でFX初心者の自分はあえて取引する必要はないと思う。きょうは様子見して、市場に入っていけるタイミングを見計らいたい。

10月16日(火)

   米国の9月小売売上高が予想を大きく下回ったことで、市場は引き続きドル安方向へ進んでいくと予想。きょうは売りから入る。1ドル112.038円で、1000通貨の売りポジションを持った。

10月17日(水)

   きのうにかけて為替市場は一転上昇。米国企業の業績に反応したものと思われる。16日から持っていたポジションを買い戻し、損切り。また夜中に買いと売りを混ぜた取引を行い、3円のプラスだった。 ふだん株式銘柄を探す際は数か月から年単位の長期的な目線から見るようにしているのだが、FX取引においては短期的な取引が主流なのだと思いこの1週間と少し、短い取引をしていたが、どうも性に合わない気がする。値動きをいちいち気にかけてしまうし、自分の取引に対するストーリーが描きづらいから、取引一つひとつがイヤに軽く感じる。

   今回の損切りや短期的な取引を反省に、今週はもう取引をやめようと思う。来週以降に向けて、ふだんやっている長期的な視野をFXにも生かせないか、方針を考えたい。

10月19日(金)

   最近はやはり値動きが激しい。安定したトレンドが形成されない状況が続いている。来週もこのような相場が続くなら、初心者にとってはかなり動きづらい週になりそうで不安だ。 今週はプラス3円で、1万343円になった。

1万円からの損益 プラス343円
10月19日現在 1万343円

「売り」目線で見ていきたい(國學院大學)

10月8日(月)

   110円~114円のドル円上昇のトレンドライン(トレンドがわかるようにするために引く補助線。下値を結ぶ支持線や上値を結ぶ抵抗線がある)を割ったためで、1ドル113.60円でショートエントリー。枚数は1000通貨。112.40円で利益確定。1200円のプラス。

10月11日(木)

   1時間足で20期間の移動平均線(終値の平均をつないだ線)から反発の兆しが見えたため、1ドル112.20円でショートエントリー。枚数は1000通貨。112.30円でロスカット。100円の損失。

10月18日(木)

   1時間足で短期の上昇トレンドが高値更新できず、移動平均線が下向きで安値更新したので、1ドル112.40円でショートエントリー。枚数は1000通貨。112.10円で売って利益を確定した。300円の利益。
テクニカル取引のため、1日に1~4時間足を見て、移動平均線の向きで押し目買い。戻り売りを狙う。この2週間で株価指数や長期金利の不安定さから、円買いの動きが見られたため、売り目線で見ていた。

   ドル円相場のボラティリティ(価格変動率)は小さいので、リスクリワードレシオ(損切りの幅と利食いの幅のバランスのこと)は1対1.5を目安に取引する。損切り幅は10~20pips(為替レートが動くときの最小単位を表す。ドル円で1pipsは1銭)あたりに抑える。

   10月22日週からのドル円相場も売り目線で見ていきたいが、日足・週足レベルでの安値切り上げで上昇していく可能性もあるため慎重に見ていきたい。

1万円からの損益 プラス1400円
10月19日現在 1万1400円