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ハロウィン、あなたの職場は? やっている会社が2割ってホント?

   クリスマス、バレンタインデーに並ぶほど日本に浸透してきたハロウィン(10月31日)が近づいてきた。職場のイベントとして仮装しながら働く会社も増えてきているという。

   ある調査では、約2割の会社でイベントを行なっているというが、あなたの職場ではいかがか?

  • ハロウィンといえばオレンジのカボチャ
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オフィスで仮装して働き、コンテストをするベンチャー企業

   自治体に特化したサービス提供を展開する福岡市のベンチャー企業「ホープ」(時津孝康社長)では、今年(2018年)から初めてハロウィンに社内イベントを開く。194人の全従業員がオフィスで仮装して働き、最後に仮装コンテストを行ない、従業員の投票で選ばれた1位から3位までを表彰するというのだ。

   ずいぶん思い切った試みだが、いったいどんな狙いがあるのか、J-CAST会社ウォッチ編集部は、同社広報・IR課の谷川桃香さんに聞いた。

「従業員の平均年齢が28歳の若い会社です。今年は中途採用に力を入れて新しい仲間が増えました。お互いにおしゃべりしたくても、なかなかしゃべれない。何か楽しいことをして、コミュニケーションをもっとよくしたいよね、と始めることにしました。弊社代表の時津は学生時代に起業したくらい、新しいことが大好きですから、社内で一番張り切っているかもしれません」

   10月31日は、さすがに仮装のままでは通勤しづらいので、社内で着替える。コンテスト入賞を狙っている者も多く、何を着るか、みんな秘密だ。以前、友だちとのパーティーで仮装したことがあるという谷川さんは、こう語った。

「30代~40代の中には、恥ずかしくて本格的な仮装ができない人もいますので、耳にちょっとつけるグッズとか、小道具を会社で用意しました。また、営業の人はお客様の対応もありますから、その場合は仮装を脱ぐことになります」

細かいところにも配慮して、準備万端のようだ。

   さて、ハロウィンイベントを行なう会社は、どのくらいのあるのか。主婦に特化した就労支援サービスを展開するビースタイルの調査機関「しゅふJOB総研」が、働く女性に「職場でハロウィンのイベントを実施したことがあるか」を調査したデータがある(2018年10月16日発表、713人対象)。すると、「社内イベントをした」と答えた人が20.9%いた。5人に1人の割合だ。

「楽しい」半面、「宗教色」がネックに

   この数字は、「意外に企業に浸透している」とみるべきか、それとも「バレンタインデーなどに比べると、まだまだ」と見るべきか。ちなみに、しゅふJOB総研が今年2月に行なった「バレンタインデーの社内イベント調査」では、90.2%が職場でチョコレートを配った経験があり、71.5%が「チョコ配り」を負担に感じている。そして、職場にバレンタインデーを持ち込むことについて、「賛成」の人は15.4%しかいなかった。

   ハロウィンでは、職場で具体的に何をしているのか。「受付やオフィスを装飾する」が一番多く13.7%、「(お菓子を食べるなどの)ハロウィンパーティーをする」が4.8%で、中には「仮装したまま仕事をする」も3.1%いた。

   「職場でハロウィンイベントが行なわれたら、どうするか」を聞くと、「参加する」が75.9%に達した。また、イベントに賛成か、反対かを聞くと、「賛成」20.8%、「反対」24.1%で、賛成者はバレンタインデーより多かった。30代以下の賛成は32.8%で、若い人ほど人気が高くなる。

   賛成する人には「楽しさ」を強調する声が目立った。

「楽しい時間をみんなでシェアしたい」(50代・派遣)
「最初は乗り気ではなかったが、やってみたら案外楽しめた」(40代・主婦)
「昔の会社には組合主催の運動会があった。それと同じ意義がある」(50代・パート)

   一方、反対する人には仮装のインパクトや宗教色を指摘する声が多い。

「仮装の衣装を買ったり、作ったり、面倒くさい」(40代・パート)
「日本の伝統的祭りも大事にしないのに、なぜ外国の宗教行事を会社でやるのか」(40代・パート)

などだ。

   こうした結果について、調査を行なったしゅふJOB総研の川上敬太郎所長は、記者の取材にこう語った。

「いつのまにか日本の恒例行事になったハロウィンですが、まだまだ職場のイベントとしての浸透度は低いようです。ただ、年代別にみると、若い人ほど賛成比率が高くなりますから、今後は時を経るごとに浸透していくでしょう。ただ、気になるのはバレンタインの調査と違って、宗教的な理由から抵抗感を示す声がみられること。職場でハロウィンを盛り上げるとしたら、なるべく宗教感をなくす工夫をするといいでしょうね」

プチ仮装に、プチパーティーがおススメ

   日本にハロウィンを広める活動している「日本ハッピーハロウィン協会」の岡本恭和(きよかず)代表に話を聞いた。

――約20%の企業でハロウィンの社内イベントをしているという調査がありますが、実際はどのくらいの企業が行なっているのですか。

「協会では正確に把握しきれていないのが現実です。メディアでは、オモチャなどのキッズ関連会社や、アミューズメント系企業の仮装イベントが取り上げられていますが、グッズの販売促進とセットになっています。
ただ、2014年に渋谷で大々的に騒がれた頃からは、女性の多い職場で増えてきた気がします。あの時、渋谷で盛り上がった女性たちが結婚してママになり、子どもを仮装させ、家庭でも職場でも広めている印象があります。また、IT企業など若い人が多く、自由な雰囲気がある職場でも広がっていると聞いていますが、まだまだ少ないですね」

――地方自治体でハロウィンイベントを行なうところが増えていますね。

「はい。秋祭りないところに、秋祭りに代わるイベントとして浸透してきました。横浜、札幌、網走、弘前、鹿児島......。たくさん増えています。新たな町おこしとして人気を集めており、そういう地方都市では、会社の中にも広がっているようです」

――職場でハロウィンイベントを楽しむにはどんな工夫がおススメですか。

「本格的な仮装ではなく、プチ仮装がいいでしょう。百円ショップで、つけ耳やハロウィンカラーのオレンジのグッズを買って、クッキーやカボチャプリンなどを並べて、プチパーティーをするのです。
年末年始の忘年会や新年会のように、秋に恒例の社内交流会といった感じで定着していくといいですね」

(会社ウォッチ編集部・福田和郎)