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日本株ピンチ!? 日銀の金融政策は現状維持だが......

   日本株の「ピンチ」が指摘されている。

   米中の貿易摩擦や英国のEU離脱問題などの海外情勢を引き金に、年末年始から乱高下する株価。世界中の株式市場をヒヤッとさせた米アップル・ショックほどではないが、国内でも、2019年1月18日に日本電産が中国関連の需要減を理由に、業績予想を下方修正して9年ぶりの減益見通しを発表。そのことに、個人投資家らは「暴落」への危機感を募らせている。

   1月24日の東京株式市場の日経平均株価は、前日比19円09銭安の2万574円63銭で、小幅ながら3日続落で取引を終えた。

  • 日本株はピンチなのか!?
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日本株の先行指標、PMIが急低下

   国内景気の後退懸念が強まっている。1月23日に開かれた日本銀行の金融政策決定会合は、金融政策の現状維持を決定した。事前に観測報道があった追加緩和策もなかった。

   さらに、「展望レポート」では2019年度の物価見通しが、大幅に下方修正。10月時点の前年比プラス1.4%から0.9%へと0.5%ポイントも引き下げられた。下方修正の主因は原油価格下落。第一生命経済研究所経済調査部の主任エコノミスト、藤代宏一氏はこの日発表したレポートで、「これは金融政策の効果が及ばないところで発生していることから、日銀としては大手を振って下方修正することができたのだろう」とみていた。

   その一方で、国内の製造業PMI(Purchasing Manager's Index=「購買担当者景気指数」:景況感の改善と悪化の分岐点となる50を境に、上回ると「景気が上向き」、下回ると「景気が下向き」を示唆する)は1月24日、速報ベースで50.0と前回(1月4日)から2.6ポイント低下した。辛うじて節目の50を維持したものの、「ネガティブサプライズ」(藤代氏)である。

   生産(54.0→49.2)、新規受注(51.4→48.6)、サプライヤー納期(55.5→55.0)、購買品在庫(49.9→46.8)が、いずれも急落。新規輸出受注(49.1→46.1)や受注残(51.2→46.6)も大きく下げた。

   藤代氏は、「製造業PMIは、速報性と予測精度に優れた数少ない指標で、株価と密接に連動。それらに先行することもしばしばある」と説明する。

   ただ、年末年始の株価下落による心理的要素もあって、「PMIが下押しされ、実体経済の弱さを誇張している可能性がある」とも指摘。不安要素が除去されて、2月以降のPMIが反発に転じれば、「目下の株価の反発を、さらに後押しすることが期待される」としている。