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【株と為替 今週のねらい目】対中国、対北朝鮮にトランプ米大統領が動く!(7月1日~5 日)

   G20大阪サミットにあわせて、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談を行なった。米中は2019年5月の閣僚級協議以降、貿易交渉が途絶えていたが、この会談で両国が交渉再開で合意した。米国が中国への追加関税を見送ったとの情報を受けて、リスク回避の円買いは縮小に向かう可能性がある。

   6月30日には、トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が韓国と北朝鮮の軍事境界線がある板門店で会談。非核化交渉の再開で合意した。動き出したアジア情勢に、どうなる? 今週の株式・為替マーケット!

  • トランプ米大統領が動いた!
    トランプ米大統領が動いた!
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東京株式市場 もみあい相場のなか、神経質な展開に

日経平均株価予想レンジ:2万1000万円~2万1500円

   2019年6月28日(金)終値 2万1275円92銭

   今週の日経平均株価は、もみあい相場のなか、神経質な展開となりそうだ。

   前週の日経平均株価は上昇。週間ベースでは4週連続の上昇となった。米中貿易協議の動向に神経質な展開が続いた中で、香港メディアがG20(20か国・地域)首脳会議を前に米中貿易戦争は一時休戦と報じたことが、日米の株価の上げ材料となった。

   今週の日経平均株価はイベントが多く、神経質な展開となりそうだ。注目の米中首脳会談では、トランプ米大統領が中国との交渉を継続するとの考えを示したが、大きな進展はなかった。週初の7月1日に6月の日銀短観(全国企業短期経済観測調査)が発表される。市場では、大企業製造業の業況判断が2四半期連続の悪化と予想しているが、予想以上に悪化すれば、日経平均株価の売り材料に、改善していれば買い材料になる可能性がある。

   週末には、米国で6月の雇用統計が発表予定。雇用統計は、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策に影響することから注目だ。

東京外国為替市場 リスク回避のドル売りは沈静化

ドル・円予想レンジ:1ドル=107円00銭~109円00銭

   2019年6月28日(金)終値 1ドル=107円88銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが底堅い動きとなりそうだ。

   前週のドル円相場は、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の「短期的に過剰に行動しないことが重要」との発言で利下げ観測が後退したことや、米中貿易協議の合意への期待が高まったことで、一時1ドル=108円台にドルが上昇する場面もあったが、トランプ米大統領の「追加関税を発動しないとの約束はしない」との発言を受け、再び1ドル=107円台へ下落した。

   今週のドル円相場は、米中首脳会談で貿易協議の再開に合意したことで、リスク回避のドル売りは沈静化するとみられるが、FRBの利下げ観測が根底にあり、上値は重い展開となりそうだ。

   今週発表される米国の主要経済指標が市場予想を下回ると、米国の利下げ観測が強まり、リスク回避のドル売りが再燃する可能性がある。半面、米中貿易協議の進展が確認されるようであれば、ドルは1ドル=109円近くまで上昇する可能性を秘めている。

   7月1日発表の米国の6月ISM製造業景況指数は51.2と、5月の52.1を下回る公算。先行指標とされるニューヨーク連銀の製造業景気指数やフィラデルフィア連銀の製造業景気指数は低調な内容となり、製造業の景況感の悪化が示された場合はドル売り材料になりやすい。

   経済指標は、国内では1日に6月の日銀短観(全国企業短期経済観測調査)、6月の消費者態度指数、国税庁の路線価、2日に6月のマネタリーベース、5日には5月の家計調査、5月の景気動向指数などが予定。海外では、3日に米国で6月のADP雇用統計、6月のISM非製造業景況指数、5月の貿易収支、5日には6月の雇用統計などの発表が予定されている。

   なお、4日は参議院選挙(21日投開票)の公示。また同日は、独立記念日で米国市場は休場となる。

(鷲尾香一)